【バレーボール】ティリ氏が男子監督就任 代表休止中・西田有志の〝早期帰還〟の期待が高まるワケ
〝ベストメンバー〟選出の可能性は――。バレーボール男子日本代表の新監督に就任するロラン・ティリ氏(61)が2日、オンラインで記者会見し「ロサンゼルス五輪では表彰台を目指す」と決意を述べた。今夏のパリ五輪は準々決勝で敗退し、目標に掲げていた1972年ミュンヘン五輪以来の金メダル獲得はならず。五輪後は左のエース・西田有志(24=大阪ブルテオン)が代表活動の休止を表明していた中、バレーボール関係者からは早期復帰を期待する声が上がっている。 【写真】川合俊一会長と記念撮影するティリ新監督 経験豊富な指揮官に、金メダルへの道が託された。2021年東京五輪でフランス代表を初Vに導いたティリ氏は、20年にフランス代表と兼任でVリーグ(現SVリーグ)パナソニック(現大阪ブルテオン)の監督に就任した。21―22年シーズンから現在までは大阪Bで指揮を執っており、日本のバレーボール界にも精通。「引き受けない人はいない。日本の行く末に期待があった」と決断に至った経緯を明かした。 日本は23、24年と2年連続でネーションズリーグ(VNL)の表彰台に立つも、パリ五輪の準々決勝ではイタリアに2―0からまさかの逆転負け。ティリ氏は大舞台での「経験値」を敗因に挙げた上で「大きな大会の厳しいプレッシャーの中で戦いをする。そして1度勝つ、2度勝つ、3度勝つ、4度勝つなどの経験と勝利を重ねることで、目標となる表彰台が見えてくる」と力説した。 ただ、日本の攻撃陣をけん引した西田はパリ五輪直後に「(次の五輪までの)4年の中で数年は代表を休むと思う。故障などもありながら、無理しながらきているので」と吐露。一部主力選手の早期招集は難しいとの見方が強い。それでも、バレーボール関係者はティリ氏の就任が状況を一変させると予測する。 西田は昨季にティリ氏からの誘いを受けて大阪Bに加入するなど、2人の縁は深い。だからこそ、同関係者は「西田選手は、当初より早く代表に帰ってくるのでは。ティリ氏が監督に就任した以上、代表として試合に出てほしいという話はすると思う。もちろん最後は本人次第だけど」と指摘した。ティリ氏も「大切なことはコミュニケーション。選手たち、協会、スタッフとの会話を続けていきたい」とかじ取りに意欲を見せている。 日本協会の川合俊一会長も「世界最高の監督が、日本の(クラブ)チームで監督をやっていたことは奇跡。次の五輪までに世界でメダルを取れるチームに引っ張り上げてくれることを期待している」と太鼓判を押す。新たな指揮官は、どんなチームをつくり上げるのだろうか。
中西崇太