「午後10時から午前2時の間」ではない…最新の研究が証明した「本当の睡眠のゴールデンタイム」
■「眠りの時差ボケ」に注意する 「何時に寝て何時に起きるのがベストなのですか?」 よく、こんな質問を受けます。 結論から言うと、就寝時間と起床時間は、その人の仕事や生活パターンによって違うので、あまり厳密に「何時から何時」と考えなくてかまいません。 残業で遅くなったりして、就寝時間に多少ばらつきが出るのも許容範囲です。 ただ、起床時間を固定することは大切です。 これは守ってください。 というのも、起床時間がバラバラだと体内時計が狂い、体が時差ボケしてしまうからです。 やっかいなことに、一度時差ボケすると、元の体内時計に戻すのに数日かかってしまいます。 あなたのまわりにこんな人はいませんか? 「月曜日はエンジンがかからず、水曜日あたりからやっと調子が出る」 「午前中は使いものにならない」 そのような方は、日本にいながら時差ボケになっている傾向があります。 当然、仕事にも影響が出てくるでしょう。 パフォーマンスの低下を防ぐためにも、できるだけ起床時間は朝7時なら7時と決めて、動かさないようにしてください。 ■大事なのは、眠りはじめの90分 従来、睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時の間と言われてきました。 しかし、今の研究では、成長ホルモンが最も分泌されやすい時間帯は「眠りはじめて最初の90分」で、その時間に一晩に分泌される成長ホルモンの7~8割が分泌されると言われています。 もちろん、成長ホルモンの分泌は体内時計の影響も受けているので、昼間よりも夜にちゃんと眠るほうが望ましいのは確かです。 ですから、なるべく夜と言われる時間帯に眠っていただきたいのですが、「必ず夜10時に寝ないといけない」ということはありません。 現代人は忙しいし、帰宅時間が10時頃かそれ以降になる、という人もいますよね。 というわけで、何よりも重要なのは「眠りに入って最初の90分を充実させること」なので、それを念頭において対策を立てましょう。 入眠がスムーズだと、その後の睡眠もだいたいスムーズなのですが、寝つきが悪いと、起きるまでの睡眠も不安定になりやすいのです。