「午後10時から午前2時の間」ではない…最新の研究が証明した「本当の睡眠のゴールデンタイム」
■「レム睡眠」「ノンレム睡眠」のバランスを考える 睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があると聞いたことがある方もいるかもしれませんね。 簡単に説明すると、記憶の整理や定着をおこなう役割をもつのがレム睡眠、脳や体を休める役割をもつのがノンレム睡眠です。 そして、眠りはじめの90分で成長ホルモンを活発に分泌させるのも、ノンレム睡眠の役割です。 レム睡眠は、ノンレム睡眠に比べて軽視されがちなのですが、実は、レム睡眠に入っている間は唯一ストレスホルモンが脳内に存在しない時間帯で、「メンタルヘルスの時間帯」と言われています。 つまり、レム睡眠は、私たちの精神を健康に保つために重要な役割を果たしているのです。 このように、睡眠の段階にはそれぞれ大事な役割があり、私たちは、その両方を充実させることで最大のパフォーマンスを発揮できると考えられます。 ■睡眠はタワマンの土台部分 厚労省が言うように、食事、睡眠、運動は健康を守るうえでの3本柱です。 運動なら「ジムに行く」、食事なら「グルテンフリーにする」など、いろいろ気をつけている人も多いと思います。 でも、この3つの中で脳機能に直接かかわっているのは睡眠です。食事やトレーニングでは補えない、睡眠にしかない体への役割がたくさんあります。 忙しいとき、食事はパソコン作業をしながらでもできますが、睡眠は「ながら」ではできません。結局、睡眠を削ることを選んでしまう方が多いのですが、本当は一番削ってはいけない部分です。 健康というものをタワーマンションにたとえるなら、次のように「睡眠という土台の上に、食事や運動が積み重なっている」と考えてください。 土台がしっかりしていないマンションは欠陥住宅ですし、液状化してしまった土地の上に家は建ちません。
■睡眠は人生の土台 そして睡眠は、あなたの人生そのものの土台でもあります。 睡眠に問題のある状態をそのままにしていると、どんなにいい努力を重ねても、結局は水の泡になってしまうからです。 たとえば、昇進のために睡眠を犠牲にして資格試験や仕事を頑張っても、体や心を壊してしまったら、なんにもなりません。 まずは正しい睡眠で土台の部分をしっかり築いていくために、この本を活用していただけることを願っています。 ---------- ヒラノマリ(ひらのまり) スリープトレーナー、睡眠健康指導士 自身も不眠症を経験したことから睡眠学に興味を持ち、大学卒業後は大塚家具に入社。一般のお客様からホテル、保養所、大使館などのベッドや寝室全体のコンサルティングを経験する。現在は日本で唯一のアスリート専門の睡眠のパーソナルトレーナー『スリープトレーナー』としてメジャーリーガーの藤浪晋太郎投手、プロ野球選手、Jリーガー、オリンピック選手などに試合時に合わせた睡眠アドバイスから寝具・パジャマ選びまで行っている。 ----------
スリープトレーナー、睡眠健康指導士 ヒラノマリ