兵庫知事選きょう告示 「知事の資質」争点、候補者数は過去最多か
斎藤元彦前知事(46)の失職に伴う兵庫県知事選が31日、告示される。知事選には斎藤氏を含め、少なくとも過去最多の7人が無所属での立候補する見通しで、内部告発文書への対応の是非や知事の資質などが争点となりそうだ。投開票は11月17日。 【図】内部告発問題が発端、問われる「三つの争点」 兵庫知事選31日告示 県幹部の元西播磨県民局長=7月に死亡=が斎藤氏らをめぐる疑惑を記した告発文書を作成し、3月に匿名で県議や報道機関に配布。斎藤氏は側近らに調査を指示し、元県民局長を告発者と特定したうえで、公益通報の調査結果を待たず、停職3カ月の懲戒処分とした。県議会は6月、調査特別委員会(百条委員会)を設置して告発内容の真偽や経緯の調査を開始。百条委では「告発者捜し」や斎藤氏の「道義的責任が何か分からない」との発言に批判が集まり、9月19日に県議会は全会一致で不信任決議を可決した。 自動失職した斎藤氏は、費用が膨らむ県庁舎建て替え計画を凍結するなど在職3年間で改革に取り組んだと強調する。県立大の授業料無償化の継続などを掲げる。 医師の大沢芳清氏(61)は斎藤氏の失職前から立候補を表明し、共産党が推薦する。18歳までの医療費の無償化や「ジェンダー平等推進課」を創設するとしている。 参院議員の清水貴之氏(50)は日本維新の会を離党。高校授業料の実質無償化を通じた定住促進や地域特産品のブランド化推進などを掲げる。兵庫維新の会が支援する。 前尼崎市長の稲村和美氏(51)は知事や議員も対象のハラスメント防止条例や県立大無償化の見直しなどを掲げる。自民党の一部や立憲民主党の議員らが自主支援する。 知事選にはほかに、レコード会社経営の福本繁幸氏(58)、政治団体「NHKから国民を守る党(N国)」党首の立花孝志氏(57)、ニュース分析会社社長の木島洋嗣氏(49)が立候補を表明している。(添田樹紀)
朝日新聞社