Jクラブや街クラブは9月までにジュニア選手の獲得を決める? 専門家がアドバイスするジュニアユースのチーム選び
自分に合ったクラブを見つけるために大切なこと
とはいえ、どれだけクラブが頑張っても最後は子どもたちが決断しなければならない。だからこそ、ジュニアチームでもジュニアユースチームでもクラブを選ぶ際は“実体験”が大事だと口にする。 「情報をしっかり入れるべきです。もちろん、間違った情報もあるかもしれないので、直接聞きに行ったほうがいいでしょう。ジュニアユースのチームを決める際もですが、必ず自分の目で見に行って、必ず自分で体験すべき。それは絶対に必要なことです」 体験をした際にどこを見るかも重要で、自分に合ったクラブを見つけるための“眼”を持たなければならない。 「選手も親もサッカー観がなかったとしても、人生観や子育ての方針はどのご家庭でもあると思います。そこに合う、合わないもある。バックをちゃんと並べているチームもあれば、適当にしているところもある。挨拶をめちゃくちゃするところもあれば、緩いところもある。練習を厳しくやるところもあれば、しないところもある。コーチングが厳しいところもあれば、そうではないところもある。キツかったら悪いということではなく、子どもに合うか合わないかが大事。厳しい環境が合えば、強みが伸びるかもしれないけど、逆に弱点が克服できないかもしれない。逆に合わないからこそ、自分の弱点を克服できる可能性もある。 なので、大事なことはサッカーを好きでいられること。あと大事だと思うのは、仲間同士の声かけだと思います。コーチからの言葉はあるけど、仲間同士が罵り合っているチームもある。人を傷つけることは絶対に違う。サッカー面の要素もあるけど、仲間の声かけやベンチやピッチでの振る舞いは大切。そこも絶対に参考の項目になるので、いくつかのポイントは持ってほしいですね」 答えは決して一つではないし、正解はない。サッカー面だけではなく、人間性を育むことも含め、後悔をしないように選ぶ。そのために何ができるのか。子どもたちの未来を紡ぐべく、稲垣代表は今日も子どもたちのためにグラウンドに立つ。 <了>
文=松尾祐希