「なんだか若返ったみたい」と言われるようになった、ガーデニングが趣味の70代夫婦。庭にベンチとテーブルを設置、人との交流で脳が活性化
人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。 * * * * * * * ◆70代夫婦の趣味はガーデニング 他人を家に招くようになってから、以前よりも若々しく楽しい毎日を過ごすようになった夫妻の話を紹介しましょう。 ご主人は79歳、奥さんが73歳という東京郊外に住む2人です。共通の趣味はガーデニングで、居住空間としての家はコンパクトにまとまっていますが、庭は広々としています。 その庭に一年を通じて楽しめるさまざまな草花や実を結ぶ木が植えられています。 ご主人の退職後、本格的に庭づくりを学びたいと考えた夫妻は、ガーデニング教室に通い、雑誌に紹介されるほどの庭をつくり上げました。 もちろん、念入りな手入れを欠かさず、庭の前を通りかかった見知らぬ人から、「いつも丹精されていて素晴らしいですね」とか、「いいお庭ですね」などと声をかけられることもしばしば。
◆「いらっしゃい」がハードルを下げる ガーデニングに興味があるらしい人からは、「もしかしたら、ナメクジが出ませんか。うちは花壇にいっぱいいて困っています」とか、「アジサイを株分けしたら枯れてしまって……。どうすればうまくいくかご存じですか」などと尋ねられることもあったそうです。 夫妻は、「せっかくだから、もっとみんなに庭を見てもらおう。それをきっかけに、おしゃべりしたり情報交換ができたりしたら、きっと楽しいに違いない」と考え、庭に5~6人が腰掛けられるベンチとテーブルを設置しました。 そして、庭と道路をつなぐ勝手口の扉を開け、自分たちが庭仕事をしている間は「どうぞご自由にお入りください」という看板を立てたのです。 さらに、毎週1回は「おしゃべり会の日」と決めて、ガーデニング好きの人が集まって情報交換会を開くようにしました。 最初のうちはガーデニングに興味のある人ばかりが訪れましたが、長く続けていると、「うちはマンション暮らしで庭がありませんが、ちょっとだけお邪魔して、緑にかこまれてもいいですか」とか、「一人で家にいてもつまらないから、お庭を見せてもらおうかしら」という人もあらわれ、夫妻のお庭は、植物の話だけではなく、いろいろな話題で笑い声が絶えない明るい場所になったのです。
【関連記事】
- シニアが注意したい〈生活不活発病〉とは?「することがない」「面倒くさい」と感じている人ほど要注意。意識を変えるだけで予防に
- 自分の歯が少ないほど、認知症になりやすい。高齢になって「痛い」「お金がかかる」となる前に、半年に一度は歯科医院へ
- 寝間着姿でだらだら過ごしていませんか?精神科医がすすめる、朝ウォーキングのメリット。時間を気にせず、好きなだけ歩けるのはシニアの特権!
- 信頼できるかかりつけ医はいますか?「かかりつけ医=長年通っている病院」ではない。しっかり話し合うことで、良好な関係を築いて
- お風呂に入るのも面倒…疲れている人は、まずストレッチで気力を高める。シニアにもおすすめ、布団の上でできる簡単な静的ストレッチ5選