なぜJリーグはJ1「5/9」J2「5/2」J3「4/25」の3段階方式の再開プランを決めたのか?
Jリーグは25日にウェブ会議方式で開催した臨時実行委員会で、当初予定していた4月3日の公式戦再開を断念。まだ開幕していないJ3を同25日、ともに開幕節を終えただけで中断していたJ2を5月2日、J1をゴールデンウィーク明けの同9日と段階的に再開させていく新たな目標のもとで、準備を進めていくことで合意に達した。 全世界で猛威をふるう新型コロナウイルスの影響を受けて延期される公式戦は、J1からJ3までのリーグ戦、YBCルヴァンカップを合わせて314試合に到達。期間中は公式戦を中断させていた東京五輪が延期となった状況も踏まえて、再開後にすべての公式戦を消化できるカレンダーを再編していく。 異例にも映る段階的な再開を目指す背景からは、新型コロナウイルスがクラスター(集団)感染するリスクを高めるとして、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が警鐘を鳴らす三大要因「密閉空間、密集場所、密接場面」のうちの2つを、サッカーの見地から排除した跡が伝わってくる。 「Jリーグは幸いにも(ドームなどの)密閉空間という心配は多くのケースで回避されているという認識のなかで、密集場所と密接場面について議論を重ねました」 臨時実行委員会終了後にオンライン形式で行われたメディアブリーフィングで、Jリーグの村井満チェアマンは会議のテーマをこう語った。同時に日本野球機構(NPB)と共同で設立した新型コロナウイルス対策連絡会議の第4回会議が行われた23日に、今後の見通しとして「4月3日がダメなら18日、次は5月2日」と2週間単位で再開を考えていく方針を大きく変えた理由を説明した。 「来場していただくお客様を守るための装備として、体温を測定するサーモメーターが全体で450個ほど必要な状況のなかで、すべてがそろうのが4月18日と見ています。ただ、外気に触れながら風や温度、日陰などといったさまざまな要素を考慮して測定する上で、サーモメーターの運用には非常に習熟したスキルが求められるため、一定程度の準備期間が必要だと判断しました」