【Q&A】「検察審査会」「強制起訴」って何? 【図解】
刑事事件では容疑者を裁判にかけるか否かの判断を検察官(検事)がします。裁判所に審判を求めることを「起訴」、求めないことを「不起訴」と言います。一方、「本当に不起訴でいいの?」「裁判にかけるべきだ」と被害者や市民らが感じた場合に訴える機関があります。それが「検察審査会」です。検察審査会では、誰が何を判断するのでしょうか。裁判所や検察庁の公式情報を基にひもといてみましょう。
Q:検察審査会って何?
日本では、容疑者を起訴するかしないかという判断は検察官にのみ与えられた権限となっています。検察官が「不起訴(嫌疑不十分、起訴猶予など)」とした事件について、判断が適正であったかどうか、一般国民の目線で審査する機関が、検察審査会です。
Q:検察審査会では誰が判断するの?
20歳以上の有権者からくじで選ばれた11人(任期6か月)が審査します。この制度は1948年に始まり、これまでに選ばれた審査員と、審査員が出られなくなった場合に代役を務める補充員は計61万人以上に上ります。 検察官の権限行使に一般国民の視点(民意)を反映させるために設けられた制度なので、審査員に専門知識が求められるわけではありません。 ただし、義務教育を終了していない人、1年以上の懲役か禁固以上の刑を受けた人は審査員になれません。また、現職の大臣、司法関係者、自治体の長、自衛官らもなることはできません。
Q:審査はどう進むの?
全国の地方裁判所(地裁)や主な地裁支部に計165の検察審査会が置かれています。検察官が不起訴とした事件の被害者や告訴・告発人から申し立てがあった場合などに検察審査会が開かれ、11人が非公開で審査します。 検察側から取り寄せた事件記録などを調べ、「審査補助員」として参加する弁護士に助言を求めることもできます。 検察審査会への申し立てに費用はかかりません。既定の用紙に自らの名前や住所、不起訴処分が行われた年月日、容疑者名、不起訴処分を不当とする理由などを記せば申し立てることができます。