「見栄の張り合いでみんな貧しくなる」大企業のエリート社員になっても“お金持ちにはなれない”「たった1つの理由」
〈「予算1万円の居酒屋は高すぎる」「4000円くらいがちょうどいい」日本人が知らない「大企業エリート社員たち」の“羨ましくない経済事情”〉 から続く 【写真】この記事の写真を見る(2枚) 前半では、意外とさびしい「大企業エリート社員たちの経済事情」が明らかに。後編では、いよいよ「大企業エリート社員たちが貧しくなる理由」について解説。大企業に務めていても「お金持ちになれない人」の特徴とは?(全2回の2回目/ 前編を読む ) ◆◆◆
見栄の張り合いでみんな貧乏に
さて、ここからはこの非合理的な選択についての私の推測です。大手企業管理職が住宅購入など無駄な支出をするのは、「同期同士の見栄の張り合い」が大いに影響していると思います。 日本の大手企業は、新卒一括採用で数十人・数百人の同学年の新人を採用し、同期同士で競わせ、昇進・昇格や教育訓練などを入社年次で管理します。そのため、同期同士で強い連帯感と対抗意識が芽生えます。 会社の中で出世競争など対抗意識を持つのは決して悪いことではありません。しかし、家庭生活にも同期の影響が及ぶと、かなり厄介です。同期の誰かが贅沢をすると、対抗意識から見栄を張って同じように贅沢をしようとするからです。 「同期の桑田が今度、都内のタワーマンションを買うらしいぞ。わが家もそろそろ考えないとな」 住宅だけではありません。住宅に金がかかるなら他を倹約するべきですが、人間の心は弱いので、一つ贅沢をするとたがが外れて、すべてが贅沢になっていきます。 「あなたの同期の清原さんは、お嬢さんを私立中学に入れるらしいわよ。うちも来年から高学年だし、うかうかしてはいられないわ」 「同期の大谷は、年末に家族でハワイに行くらしいぞ。うちは熱海に行こうかと思ってたけど、ちょっと考え直そうかな」 この他にも、アフターファイブやゴルフなど、大手企業では見栄を張りたくなる機会のオンパレードです。周りを意識して見栄を張りたがる日本人の悪癖が、財産形成という点では大きく災いしているようです。