野村周平「ひとりで過ごす時間が豊かになって、歳をとるのが楽しみになってきた」
草彅剛さん主演の舞台『ヴェニスの商人』(12月6日~)にバサーニオ役で出演する野村周平さん。初めてのシェイクスピア劇に挑む心境と野村さんが目指す理想の大人像についてお話を伺いました。 PEOPLE NOW
俳優としての仕事をはじめてもうすぐ15年になる野村周平さん。2019年にはアメリカ留学を経験し、すでに習得している中国語にプラスして英語にも磨きをかけ進化を続けています。草彅剛さん主演のシェイクスピアの舞台『ヴェニスの商人』(12月6日~)の上演を前に、その仕事観、そして目指す理想の大人像についてお話を伺いました。
改めて王道を知りたい、そう思うようになっていた
── 野村さんにとって舞台出演は2022年の『広島ジャンゴ』以来2年半ぶりですが、演者として感じる舞台ならではの魅力とはどんなものですか? 野村周平さん(以下、野村) 映像作品だと、見てくれた人に後日感想を聞いてやっと反応がわかるけれど、舞台だとそれがダイレクトに伝わってくる。あ、ここで笑うんだとか、演じているその場でわかるのは、やっぱり面白いです。反応があれば、こちらもさらに感情をお客さんにぶつけられるし、そのやりとりは舞台ならではですよね。 ── 観る方も役者さん本人を前にしているわけで、観劇はやはり特別な体験です。 野村 そう思ってもらえたらやっぱりうれしいです。舞台って緊張感がものすごくある場所だから、リラックスしてというより、お洒落してカッコつけて来てもらえたらやっぱりいいかな。
── シェイクスピア作品にはどんな印象を持っていましたか? 野村 最近、改めて王道を知りたい、そう思うようになっていたんです。ジャズなど昔から愛され続けている音楽を聴くようになり、日本の古い小説も読み始めた。そうすると歴史にも興味が出てきて、ああ、自分は日本人なのに日本の歴史を全然知らなかったんだなぁと、やっとそういうことがわかってきて。そんなふうに自分なりに文化について考えはじめた時に、今回のお話をいただいて、「え、シェイクスピアとか、それめちゃくちゃカッコいいじゃん!」と飛びつきました(笑)。 昔は、シェイクスピア作品ってなんだか難しそうで、避けていた部分もありました。やらず嫌いだったのかな。もちろんやってみれば決して簡単ではないのだけれど、どうお客さんにスムーズに伝えられるか、そこを今は考えて稽古しているところです。