千葉ロッテ“令和の怪物”佐々木朗希がデビュー戦で見せた光と影…大谷翔平のデビュー時との違いとは?
もうひとつの課題は変化球の精度と緩急をつけるボールがない部分。池田氏が続けて指摘する。 「スライダーはほとんどなく変化球はフォークが中心だったが、落ちるボールと落ちないボールのムラがあった。悪くはなかったが、カウント球にするまでの精度はなかった。緩急をつける球種がないのも今後の課題。大谷翔平は縦のカーブを使っていた。あのボールが緩急になって160キロクラスのボールが生きた。チェンジアップなのか、カーブなのか、そういうボールが必要だろう。初見で西武打線は戸惑ったが、同じような小さな変化のスライダーとフォークだけでは、今後、ローテーで回り、他球団と何度も対戦するようになると壁にぶつかるかもしれない」 佐々木はファームで5試合に登板し防御率0.45の圧倒的な結果を残して1軍デビュー切符を勝ち取った。ルーキーイヤーは、まだ体力がなくファームでさえ1試合にも登板できなかったが、2年目の今季は、キャンプからここまで順調に仕上げてきた。まだ19歳。その可能性は無限大。 ちなみに日ハム時代の大谷翔平は“二刀流”としてプレーしながら投手としては1年目に13試合に登板(先発は11試合)、3勝0敗、防御率、4.23、2年目に24試合、11勝4敗、防御率2.61の数字を残している。体力面を考えると2年目の佐々木を大谷の1年目に置き換えて考えるのがいいのかもしれない。 池田氏も「107球を投げて体に張りも出るだろう。登録抹消は順当な対応。課題を修正して再登板に備えればいい。これだけ投球をまとめることができるのだから、打線との兼ね合いで、今年、いつ勝ってもおかしくない。楽しみな可能性を見せてくれた」とエールを送った。