坂本花織 同門・壷井達也の演技で緊張ほぐれた「4回転降りるたびに叫んで…隣から苦情きました」
フィギュアスケートGPシリーズ第4戦のNHK杯最終日は9日、東京・国立代々木競技場で女子フリーが行われ、世界選手権3連覇中でSP首位の坂本花織(24=シスメックス)が今季世界最高の合計231・88点を叩き出してNHK杯3度目の優勝。ファイナルを含めてGP5連勝とし、12月のGPファイナル(フランス)進出を決めた。SP、フリーともに1位でGP通算8勝目となった。千葉百音(19=木下アカデミー)は212・54点で2位、青木祐奈(22=MFアカデミー)は195・07点で3位で、ともにGPシリーズ自身初の表彰台。2008年以来16年ぶりの日本女子による表彰台独占の快挙を成し遂げた。 【写真】<NHK杯女子フリー>演技を終えた坂本花織はポーズを決める(撮影・長久保 豊) SPでは3本のジャンプを含めてノーミスの演技を披露し、今季世界最高得点となる78・93点をマークした坂本。フリーでも圧巻のノーミスの演技を披露し、キスアンドクライで得点を確認すると「うわー!」と驚きの表情。ガッツポーズで場内の大歓声に応えた。 10月末のスケートカナダでは貫禄の優勝を果たしたが、ジャンプで2度転倒して自己ベストを30点近くも下回り「悔しい結果」と嘆いていた坂本。そこから2週間で見事修正し「カナダからこの2週間、ここまでできると思っていなかったので自分でもびっくりなんですけど。もうとにかく1番幸せです」とニッコリ。 「(スケートカナダでは)緊張がもろ表情に出てしまったので見てる方も緊張が伝わってきた、という感じだったんですけど、今回は見てる方もジャッジも楽しんでもらおうという気持ちでやって、それが結果に結び付いたのですごくうれしいです」と圧巻の演技を振り返った。 前日のSP後、「たっちゃんが良い演技をしていて“やらなきゃ”と思った」と同門の壷井達也(シスメックス)に刺激を受けたと明かしていた坂本。この日はメークしながら男子の演技中継を見ていたそうで、「男子の皆さんめちゃくちゃ頑張ってて、特に身内の壷井選手がメッチャ頑張ってて。隣が青木選手の部屋だったんですけど、4回転降りるたびに叫んでて隣から“凄い声聞こえたよ”っていう苦情がきました」とユーモアたっぷりに演技前のエピソードを告白。SP、フリー、合計点全てで自己ベストを更新し、GP自身初の表彰台の3位となった壷井の活躍で緊張がほぐれたと明かした。 GPファイナル、そして26年五輪へ向けて「今シーズンの結果が来シーズン以降につながってくると思うので、しっかり1試合1試合大切にして、しっかり積み重ねて自信をつけていけたらいいと思っています」と意気込んだ。