一度きりの人生だもの、「卒婚」と「死後離婚」という道があってもいいじゃないか
人気が高まる「死後離婚」
書類の届け出は配偶者の死後であればいつでもかまわない。 しかも、関係を断ち切れる親族の了承などは不要で、姻族関係終了の通知もない。誰にも知られることなく、本人の意思だけで実行できるのだ。 この手軽さが人気となってか、死後離婚を選択する人は年々増えている。'05年度は約1800件だったのが、'22年度には約3100件に伸びた。 「『旦那の親族のお墓を管理したくない』という理由で死後離婚をする方もいらっしゃいます。花代でも年間4万円、さらに年間10万円くらいの管理費がかかりますからね。もちろん、『夫の墓に入りたくない』というのも大きな理由になりえます」(前出・宮本氏) 注意しておきたいのは、子どもがいる人が死後離婚するケースだ。自分の子どもと義父母の関係は切れないため、子どもに義父母への扶養義務が生じる恐れがある。また、唐突に縁を切るわけなので義父母とトラブルになりかねない。こうした事態を避けるためにも、生前から互いの親族との付き合い方について、夫婦でしっかり話し合うことが肝要だろう。 面倒なしがらみから、たった一枚の紙で解放される。残された人が義理の親子関係で悩んでいるならば、死後離婚は十分に選択肢の一つとなる。 『「安心して穏やかにボケる」そのために「家族信託」と財産管理の秘策として使う方法』へ続く 『週刊現代別冊 おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』が好評発売中! 累計188万部の大人気シリーズが、大幅リニューアルでさらにわかりやすくなりました! 週刊現代の大反響記事を、加筆のうえ、ギュッとまとめた一冊です。
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