なぜ?異例挑戦!青森山田の”天才2年生MF”松木玖生が仏名門リヨンの練習にテスト参加
憧れの選手は自身と同じ左利きで、名将ジョゼップ・グアルディオラ監督が「彼だけはどんなことがあっても手放さない」と、マンチェスター・シティの未来を託すMFフィル・フォーデン。昨年にイングランド代表としてもデビューし、ゴールも決めている20歳のホープと同じヨーロッパの舞台で戦っていくために、卒業を約1年後に控えた段階で具体的なアクションを起こしたことになる。 新型コロナウイルスの第3波が猛威を振るっている状況は、もちろんフランスも例外ではない。渡航するには搭乗時に72時間前以内に発行されたPCR検査の陰性証明書の提示が求められ、フランス到着後にも7日間の自主隔離と再度のPCR検査で陰性が示されなければならない。 全土で18時から翌朝6時まで夜間外出禁止が実施されながらも感染者数の増加が続き、複数の都市では変異株によるクラスターも発生したフランスでは、3度目のロックダウンの必要性が叫ばれている。日本への帰国時にもPCR検査を受け、さらに14日間待機しなければならない。取り巻くすべての状況を理解した上で渡仏した松木からは、夢を実現させるための覚悟と決意が伝わってくる。 ただ、肝心の練習そのものがウェルカムな雰囲気とは限らない。いま現在はセレッソ大阪でプレーするMF西川潤は桐光学園の2年時に渡独し、ブンデスリーガのバイヤー・レバークーゼンで練習に参加した2年前の日々を、「選手たちから敵対心を向けられている感じでした」と振り返ったことがある。 「最後の方になるとみんな優しく接してくれましたけど、最初のころは本当にひどかったというか、精神的にきつかった。グループごとに固まっていて、こちらから話しかけることもできない雰囲気があって、自分がいる場所はない、という感じだったので。自分の方から積極的に飛び込んで、メッセージを発信していかないとやっていけないと強く感じました」 西川が練習に参加したセカンドチームは選手数の上限が定められていて、見知らぬ日本人が契約を勝ち取れば、誰か一人がチームを追われなければならなかった。ゆえに実戦的な練習が始まれば、フリーでポジションを取っていてもまったくパスが来ない状況が日常茶飯事となった。