なぜ関東学連は日大の復帰を認めなかったのか。この先に残した問題とは?
検証委員会が日大の改善案に具体的に何箇所かにわたって“ダメ出し”をしたが、出場停止期間は、来年3月末までであり、それを過ぎると自動的に処分は解除される。関東学連の指摘や、第三者委員会の最終報告を受けた日大が、今後、何もしなくとも、春の大会から対外試合が解禁され、来年9月の「ビッグ8」の開幕から復帰できることになる。ある意味、関東学連が下した処分の不備だ。 この日、森本専務理事は、「ルールの上では何もしなくても戻って来れる。だが、これだけの人が見て、これだけ検討したのだから、日大も改善に向けて頑張るだろうし、やってくれるでしょう。またライバルの学校も支援すべきでしょう。ほったらかしにするわけにはいかない。(学連としても復帰に際して)何らかの仕組み、どうするかを考えていかねばならない」と返答した。 関東学連が引き続き日大をモニタリングし続ける組織を立ち上げ、本当に1年で、復帰させていいのか、どうかを再度、検証する必要はあるだろう。少なくとも、今回、検証委員会が答申書で指摘した問題点を、どう改善しているかをチェックしなければ、他大学の安全性は保障されず、社会の信頼も回復できない。 そして重要なのは、田中理事長の責任の取り方である。 森本専務理事は「学連としては、田中理事長の進退に答える立場にない。だが、再建のためには重要なキーになる人であることは間違いない。その動きを注視していきたい」という意見を口にした。 悪質タックルを引き起こした日大問題はまだ何も決着していないのである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)