靴底でわかる足のクセ!それ「外反母趾」のサインかも…5分でプチ診断【靴のマイスターに聞く!#1】
(3)上から見る
「最後に、上から見たときのチェックポイントです。 指のつけ根あたりにしわが寄っている場合、靴の左右幅や縦幅に余裕がありすぎて、歩くたびに靴が不自然に曲がっていることが原因として考えられます。 “自分の足は幅広だ”と認識していらっしゃる方も多いのですが、実際はそこまで幅広なわけではなく、むしろ広すぎて足に合っていない……というケースもよくあるのです。 特に外反母趾の傾向がある方の場合、足が当たるのを避けて横幅が広い靴を選びがちなのですが、左右が広い靴を履いていると、足のアーチ状の形を十分に保持することができず、逆に外反母趾が悪化してしまいます。 肝心なのは、当たらない靴を履くことではなく、“当たる部分に縫い目などの固い素材がなく、柔らかい面がくるような設計になっている靴”を選ぶこと。 縦のサイズだけでなく横幅も、できるだけ、自分の足にぴったり合ったものを履くようにしましょう」 靴の選び方については次回の記事で詳しくご紹介するので、そちらもぜひあわせてお読みください。
足や靴に不安を感じた時は、どうしたらいい?
では、もともと靴や足についての悩みがあったり、ご紹介した“プチ診断”を実践するなかでなんらかの不安を感じたりした時は、どうしたらいいのでしょうか? 今回『kufura』が20~50代の男女436人にアンケート調査を実施したところ、そのうちの310人、実に7割以上が「靴や足に関する悩みがある」と回答しました。 なかでも多かったのが「足が疲れる/痛くなる」で、約4人に1人が選択。続いて多かったのは、「タコ/マメ/ウオノメができる」、「靴ずれしやすい」という結果でした。また、複数の悩みを選択している人も目立ちました。 「現在、日本で暮らす多くの人がなんらかの“靴や足の悩み”を抱えていますが、それに対して“悩みを解決するための知識”や“医療的な面からサポートする靴選び”については、まだ十分に認知されていないのが現状です。 アンケートであげられている症状には、それぞれの関連が見られる場合も多く、1つの原因からいくつかの症状が同時に起こっている可能性もあります。靴や足の不調のサインを見逃さず、 ・症状の原因を正しく知るため、医療機関を受診する ・できるだけ足に合った、かつ負担が少ない靴を選ぶ などの対処をするようにしてください。 特に痛みがある場合や、既製品の靴では合わないと感じた場合などは、病院の受診やオーダーインソール・オーダーメイド靴などが必要になります。(オーダーメイド靴は高額になりますが、症状によっては保険で費用の一部が負担される場合もあります。) 症状が軽いうちに対処することが、悪化を防ぐことに繋がるので、ぜひ一度専門家に相談してみてください」 ただし、日本では足に特化した専門医制度がなく、単科ですべての症状をみるのが難しいのだそう。病院選びには「日本フットケア・足病医学会」の専門病院リストなどもご活用ください。 全5回のシリーズ【靴のマイスターに聞く!】、第1回は「自分の靴のチェック方法」についてお届けしました。手軽にできる“プチ診断”。ぜひあなたも、普段履いている靴の傾きや靴底の削れを観察して、自分の足の癖をチェックしてみてくださいね。 次回は「自分に合った靴の選び方」について教えていただきます。 撮影/五十嵐 美弥(小学館)