靴底でわかる足のクセ!それ「外反母趾」のサインかも…5分でプチ診断【靴のマイスターに聞く!#1】
(2)靴底を見る
「おおまかな傾きが確認できたら、次に靴底の“削れ”をチェックしていきます。靴底に溝が入った靴であれば、“溝の深さがどれくらい残っているか”を見ることで、どの部分が削れているかを確認することができます。 一般的に、足を一步踏み出したときにはかかとに重心がかかり、足が地面から離れる際はつま先に重心がかかります。そのため、かかとやつま先は、歩くなかで自然と靴底が削れていきます。 自然な歩き方をしている時は、つま先はまっすぐ進行方向を向くのではなく、少しだけ左右に開いた形になるので ・かかとの少し外側 ・つま先は少し内側 が削れるのは本来の削れ方であり、心配する必要はありません。(ただし、靴底の溝が見えなくなるほどすり減ってしまっている場合には、新しい靴に替えるか修理に出すようにしましょう。) それ以外の箇所、特に左右部分が削れている場合は、 ・内側の削れ⇒“外反傾向” ・外側の削れ⇒“内反傾向” がある可能性が高いです。 ただし、外側の靴底が削れていても、いわゆる“がに股”のような歩き方になっている場合は、“内反”ではなく“外反”かもしれません。ひとくくりには言えないことも多いので、心配な点がある場合には、専門の病院などの受診をおすすめします」 「例えば上の画像の2例は、それぞれ別の方の靴ですが、どちらも内側が削れており、“外反傾向”が見られます。 また、靴底のなかでも、特に“中指のつけ根”あたりの溝が薄くなっています。一概には言えませんが、これは“外反母趾”(外反扁平足)の可能性が考えられます」 「足は本来、つま先側から見た際に左右の中央部分が少しふくらんだアーチのような形をしているのですが、外反母趾の場合はそのアーチが平らになってしまい(=開張足)、中指のつけ根あたりに負荷がかかってしまうんです。 そのほか、インソール(中敷き)の一部が削れていたり、足にタコができたりするのも、なんらかの理由でそこに負荷がかかってしまっているというサインなので注意が必要です。 歩き方の癖は、自分で意識して変えようと思ってもなかなか難しいもの。だからこそ、足をしっかり支えてくれる、自分にあった靴を選ぶことはとても大切です。 加えて、アキレス腱を伸ばすストレッチなどで足をなるべく柔らかく保つことも、足のトラブルの改善に繋がります」 ◾️ヒールタイプの場合、靴底はどうチェックする? チェックする靴は「靴底の地面に接する面積が広いもの」がおすすめ、とのことでしたが、ヒールタイプの靴の場合、見るべきところはありますか? 「ハイヒールやピンヒールの場合、特に体重がかかるのはやはりヒールの先端部分になります。 長く履いていると段々と、ゴムなどが削れてきますよね。特に、置いた時に明らかに靴が斜めになっているような場合は、くじきやすくなってしまいますので、早めに修理に出して直すようにしてください」 「放置すると、悪化や怪我を招きかねないのが足のトラブル。健康診断や歯科検診と同じように、足や靴についてもぜひ1年に1~2回、欠かさず確認する習慣をつけるようにしてください」