路上生活する24歳ウーバー配達員、失業の原因は“親の借金”…生活保護を受けるも途中で辞退した理由
若者の「見えない貧困」が広がっている。旧来型のネカフェを根城にするケースだけでなく、「限界シェアハウス」が増えたことで路上生活をせずともその日暮らしを続けていけるからだ。 人手不足で就職市場は空前の売り手市場と言われているが、若い人材が引手数多な一方で、貧困から抜け出せない若者も多い。そして、彼らの多くは“親ガチャ”を理由に世代を超えた負の連鎖を断ち切れずにいる……。そんな過酷な環境で暮らす若者を徹底取材。「忘れ去られた若者たち」にスポットを当てる。 ⇒【写真】豪雨の中で配達と寝泊まりを続けた結果スマホが壊れてしまった
親の借金が原因で失業
三﨑裕翔さん(仮名・24歳) 【現在の状況】路上生活 【主な収入源】ウーバー配達員 【現在の月収】約5万円 「今思うと母から見た私はただのカネヅルだったのかもしれません」 そう語るのは、熊本県の中心市街地でウーバー配達員をしながら路上生活を続ける三﨑裕翔さん(仮名・24歳)。彼の生活拠点と実家はクルマで1時間ほどの距離だが、三﨑さんには“帰れない理由”がある。 「母親から繰り返しカネの無心をされていて……。私が幼い頃に離婚した母はギャンブル依存症の恋人の借金を肩代わりして、数百万円の負債がありました。家計は常に火の車で小学校では給食費を払えず、周囲からは『泥棒』呼ばわり。高校時代は部活もせず、バイト漬けの日々でしたが、時給が低く、どんなに働いても月7万円が限界でした」 それだけ苦労して稼いだバイト代も、全額母の借金返済に消えた。そして高校卒業と同時に地元メーカーにSEとして就職。母から離れたい一心で一人暮らしを始めるが、悲劇はここで終わらない。 「正社員として働きだしたことで母からの金銭の要求もエスカレートして、月収約30万円のうち10万円は渡してました。断ると『こんなに愛して育てたのに!』と癇癪を起こし、一日10件以上“鬼電”をして会社に押しかけてくるんです。4年半勤めた職場にも居づらくなり、会社には書き置きだけを残して夜逃げ同然で地元を飛び出しました」