竹内由恵アナ「私、今日も何もしていない…」子育て中に焦燥感に駆られ落ち込んだとき、救われた先輩ママの言葉
元テレビ朝日アナウンサーであり、現在は3歳の男児と1歳の女児の母親として、またタレントとしても活躍する竹内由恵さん。 2019年の結婚後に、テレ朝を退社して夫の勤務地の静岡県に移り住んだものの、不安に襲われることもあったそう。 フリーでやっていけるのか。「今日も何もしていない」と焦燥感に駆られることも……。 今、働く多くの女性が抱えるのと同じ悩みを、竹内さんはどう乗り越えてきたのか? 赤ちゃんを「赤さん」と呼び、子ども達との日々をやさしいタッチで描いた竹内さんの初漫画エッセイ『なんとかなるさ! ヨシエのとほほ、くすくす日和』(祥伝社)より紹介する。 (以下、同書から一部抜粋・再構成しました)
落ち着きのない妊婦
臨月の大きなお腹を抱えながら、友人にお仕事の悩みを相談したこともありました。当時はフリーランスでお仕事を始めたばかりで、ちゃんとやっていけるかどうか心配だったのです。仕事をセーブしていかなければならない現実にも不安を感じ、出産と同じくらいにすごく悩んでいました。そんな私に友人がくれたのは「あなた、今臨月でしょ!」「そんなことより、あともうちょっとで生まれてくるんだよ!」という至極真っ当なツッコみ。今にも子どもが生まれてくるようなタイミングですから、そりゃそうです。いつまでたっても落ち着きのない妊婦だったなぁと振り返ります。 第2子・まめこちゃんの妊娠中はもっと慎重に……となるわけもなく、第1子の出産で少し慣れたところもあって、さらにいろいろと気にしなくなります。もはや私の思うがまま、かなり自由に行動していました。妊娠・出産もお仕事も、どちらも頑張れる限りは頑張りたい! という気持ちでした。 第1子のおでこちゃんを連れて出張に行ったり、何泊かの旅行に出かけたりもしました。お腹の中にはまめこちゃん、ベビーカーにはおでこちゃん、そして背中には大きなバックパックを背負っていましたから、かなりインパクトのある出で立ちだったことでしょう。 「私、今日も何もしてない」 乳児は基本的にずっと寝ている印象があり、子育て中は時間に余裕があるものだと思っていました。余裕があって、自分の時間が作れて、その間に何かできてしまいそうな気さえしていました。 でも実際は、全くそんなこともなく……。赤さんは確かによく眠りましたが、1人おとなしくお布団で寝ていてくれるわけではありません。赤さんのお好みは抱っこされた状態で寝ること。私の腕の中でうとうと、すやすやしている赤さんは可愛くて、とっても幸せです。……が、抱っこをしている間は手がふさがっているので、ほとんど何もできません。赤さんが本格的な眠りに入ったかな、というタイミングで、そーっと静かにお布団に置こうとしますが、置いた瞬間に赤さんは大号泣。私は、ほんの少しでも時間があったら何かしたいと思うタイプなのですが、この時ばかりは抱っこ以外に何もできませんでした。 こんなに何もしない(できない)時間を過ごすのは、人生で初めての経験です。最初はただ過ぎていく時間に戸惑いを感じるばかりでした。そうして「私、今日も何もしてない……」と焦燥感に駆られる日々が続いた時、思い余って先輩ママさんに相談してみました。 返ってきたのは、それはそれは温かい言葉でした。 「自分にとっては無意味に感じられる時間も、赤ちゃんのためになってるんだよ。今は赤ちゃんのために自分の時間を使ってるんだと割り切っちゃえ!」 ものすごく、救われました。「ためになっている」のかどうかは、目に見えるものではありません。成果があるのかどうかもわからないし、実感することもできません。それでも、自分以外の誰かに「ちゃんとためになっているんだよ」って言ってもらえたのは本当に大きかったです。