大手出版社と直接取引できるようになるのは”来世紀中”は無理!?[第1部 - 第8話]
インターキューの広告を出稿しようとインプレスを訪ね、「パソコン雑誌の広告をやりたいんですが」と相談すると、「加藤さん、成年誌専門じゃないですか」と。「いや、実はISPの広告をやろうと考えていて」と返すと「ええ!? そうなんですか、いいですよ!」と言って、すぐに口座を開いてもらえました。前述のように、伝統的な大手出版社や雑誌広告業界の中で日広は虐げられていたので、古い出版社よりもこれから伸びる新しい出版社のほうが風通しがいい、と明るい兆しを感じましたね。 この出来事をきっかけに、パソコン雑誌にISPの広告を売っていこうと考え方が変わっていったんです。「もう成年誌には力をいれない。これからはパソコン雑誌、インターネット入門誌をやっていくんだ!」と社員に説明していました。
1995年11月末、Windows 95の発売に合わせて広告を掲載
1995年11月末、Windows 95の発売に合わせて、ダイヤルQ²を利用したインターネット接続サービス「インターキュー」の広告を『FLASH』と『スコラ』という雑誌に掲載しました。時代は少し後になりますが、下図は1996年11月号の『iNTERNET magazine』に掲載された「インターキュー」の広告です。
杓谷:広告業界での歴史が長い旭通信社に所属していた佐藤さんと、創業して間もない広告代理店日広の加藤さんが、雑誌広告を通じて奇しくも同じようなご経験をされていたことになりますね。そしていよいよ、インターネット広告市場が本格的に誕生した1996年を迎えることになります。 次回は1/9(木)公開予定(隔週木曜日更新)です。