「反ワク本」はデタラメだ! 標的にされた製薬会社Meiji Seikaファルマが調査結果を公表
捏造疑惑が浮上している「反ワク本」に新たな展開だ。標的となった製薬会社が19日、反論声明を発表。明治ホールディングス傘下のMeiji Seikaファルマは、〈書籍に関する社内調査により判明した事実について〉と題するプレスリリースで、社員1人の関与を明かし、版元への対応を求めているなどとした。 世界で大流行…海外旅行に行く人は「デング熱」に注意! 問題の書籍は、今年9月18日に出版された「私たちは売りたくない! “危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭」(方丈社)。版元によると、発行部数は16万部、Amazon総合ランキング1位、12月中旬現在で7刷だという。 「危ないワクチンを販売している」と名指しされたMeiji Seikaファルマは昨年11月、新型コロナウイルス対応の次世代ワクチン「コスタイベ」(通称レプリコンワクチン)の製造販売承認を厚労省から受けた一方、若手社員が3年前に別の新型コロナワクチンを接種後に死亡した経緯がある。そうしたことなどから、ワクチン販売に反発した社内有志が亡くなったKさんの名を冠した編集グループ「チームK」を結成し、出版したのが「私たちは売りたくない」との触れ込みで、一部で話題を集めていた。 Meiji Seikaファルマのリリースによると、社内調査で判明した事実は次の通り。 ▽書籍の執筆に関わった社員は1人のみ。著者として記載されている現役社員グループによる編集チームとされる「チームK」は実在しない ▽執筆した社員と「チームK」の由来とされる故人の元社員は、面識を含めて接点がなかった ▽執筆した社員は数年前からSNSなどを通じ、新型コロナワクチン接種に反対する動画などを複数回配信していた ▽執筆した社員はワクチン接種に反対する人物らと接点を持ち、別の書籍も共著していた ■社内有志の「チームK」は架空、ぼっち執筆 つまり、ワクチン接種に反対する社員が“ぼっち”で「反ワク本」を出版し、騒ぎを起こしたということ。その内容を絶賛し、お墨付きを与えた国会議員もいる。Meiji Seikaファルマは問題の社員に対する処分には言及していないが、ただでは済みそうにない。 ◇ ◇ ◇ 実は反ワク本「私たちは売りたくない!」が売れるにつれ、ネット上では反ワクチン系の配信者らの“太鼓判”投稿が流れていた――。●関連記事『【もっと読む】独自:著者グループは架空? ベストセラー「反ワク本」に捏造疑惑浮上…製薬会社が調査結果公表へ』で詳報している。