上京したての娘が、スマホで地図を見ながら自転車を走行していたら注意されたそうです…「罰則」や「罰金」はあるのでしょうか?
自転車は、道路交通法上は「軽車両」となっていますが、車と比べて車体や重量がコンパクトなせいか、車を運転するときほど交通ルールを気にしていないという人もいるかもしれません。しかし自転車に対する交通ルールは数多くあり、違反するとペナルティーを科せられることもあるようです。 今回のケースのように、スマホを使いながら自転車を運転すると罰金や罰則が科せられる可能性もあります。 本記事では、自転車運転中の「ながらスマホ」に関する交通ルールとペナルティー規定をご紹介します。 ▼ハンズフリー通話での運転は「違反」になる? ペナルティが発生する場合についても解説
運転中の「ながらスマホ」は明確に禁じられている
道路交通法第71条5の5によると、自動車、原動機付自転車または自転車の運転手は、停止しているときや緊急事態を除いて、携帯電話用装置などで通話したり表示された画像を注視したりしてはいけません。 自転車で進みながらスマホを見ていれば、当然注意が散漫になって安全運転に支障が出てしまいます。また片手運転になる可能性もあり、バランスを取りにくくなるでしょう。 自転車は歩くより速度が出るうえに金属製であるため、もし誰かにぶつかれば重大な事故を引き起こしかねません。 政府広報オンラインによると、自転車による交通事故は増加傾向にあり、自転車関連事故は全交通事故に占める割合が2割を超えています。
自転車運転中の「ながらスマホ」に関する改正道路交通法
自転車の事故率の増加を背景に、令和6年11月1日より改正道路交通法が施行され、自転車を運転する人の「ながらスマホ」に関する罰則が強化されました。具体的な内容をご紹介します。 ■2倍以上の罰金に強化された 改正道路交通法では、自転車運転中のスマホ通話や画面注視をすると、「6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金」に処せられる可能性があります。政府広報オンラインによれば、従来の罰則内容は「5万円以下の罰金」であったため、罰金額は2倍に引き上げられています。 また、自転車運転中のながらスマホで事故を起こしたなど、交通の危険を生じさせた場合は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」と定められました。 今回のケースでは、警察は娘さんがスマホの画面を注視していたと判断したのかもしれません。この場合、罰金が処せられる可能性はあります。しかし必ずしもペナルティーが科せられるとは断定できず、警察の判断によるといえるでしょう。 ■停止中での利用は問題ない 自転車にまたがっているときに一切スマホを使ってはいけないわけではありません。政府広報オンラインによると、以下のようなケースでの利用は問題ないとされています。 ●自転車が停止中にスマホで通話すること ●自転車が停止中にスマホの画面を注視すること 自転車は停止中であれば、地図アプリを開いたり検索したりしても問題はないと思われます。