「“所有ではなく共有”の考えが浸透」3年で3.5倍に成長、レンタルドレス好調の背景とは?
■10代から80代まで幅広い年代が利用、毎回違うドレスを着られる楽しみも
同社のサービスは、好みのドレスやスーツをサイトから選び、自宅や会場に配送。4泊5日間レンタルでき、男性用のモーニングコートから、ミセスドレス、お受験スーツなどのレンタルもあり、10代から80代まで幅広い年代の方が利用しているといいます。「今はメルカリが当たり前、古着がトレンドという時代なので、他人と何かを共有することに抵抗のない人が増えているんじゃないかと思います」と谷本さん。 「ご自身のお子さんやお孫さんがレンタルを気軽に利用していれば、それを勧めるかたちで年配世代もレンタルを自然に受け入れる流れができていると思います。必ずクリーニングしてある安心感もありますし、今はカーシェアやベビー用品、介護ベッドなど色々なレンタルサービスがあるので、他人とシェアをする下地も醸成されやすい環境になっています」 “所有ではなく共有”という考えが今は浸透しつつあるようです。所有欲は満たされませんが、レンタルドレスだからこそ享受できる“楽しみ”もあります。 「低コストで色々なデザインを楽しめる点がレンタルならではのメリットだと思います。写真にも残りますし、同じコミュニティの友人が順番に結婚していくことになると、同じドレスを着回せないという悩みもあると思いますが、レンタルなら毎回違うドレスを着ていけるという点は大きいです」 お財布に優しく、変化を楽しめるレンタルドレス。残すのは、モノではなく写真や思い出、というのも今の時代に合った選択肢なのかもしれません。
■結婚式に何を着ていく?マナーや服装選びのコツは…
では、結婚式で着るレンタルドレスを選ぶ場合、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。花嫁さんと同じ「白のワンピース」がNGだということは有名ですが、他にも気をつける点があるのかどうか、谷本さんに伺いました。 「思いっきり胸元が開いている、超ミニスカートなどの過度な露出はNGとされています。ノースリーブのドレスは夜の二次会向けなので、昼はボレロなどを羽織りましょう。ブラックフォーマルはお葬式を思い起こさせる恐れがあるので、アクセサリーや小物で華やかさをプラスしてください。足元は、つま先が隠れるパンプスと肌色のストッキングが基本。バッグは小さめ、アクセサリーは花嫁より控えめになるよう選びます」 細かいマナーを意識すると参加するのが怖くなりそうですが、大切なのは「新郎新婦の幸せを祝う気持ち」。その上で、会場の雰囲気や格式を意識すると、適切なドレスを選べるそうです。 「サイトにはモデルの身長やスタッフの着用感なども記載しています。それらを参考に選んでいただくか、レンタル商品を確認できる店舗(現在5店舗)でご確認いただくのがよいでしょう。全国の『洋服の青山』または『SUIT SQUARE』店舗でサイズのアドバイスをさせていただくようにしているので、そちらも併せてご利用いただければと思います」 取材・文/森下なつ