「早く終わってほしい」17歳の時、暗闇のなかで「実の父親」から受けた”おぞましい行為”と、すべてを知る母親から届いた「許しがたいLINE」
体外受精を拒否されて
覚悟を決めた麻耶さんは「せめて体外受精にして欲しい」と母親に懇願するが、母親はこれを却下する。 「『普通じゃない子どもを産むのだから、作る時くらいは自然な形にしたい』と言いました」 数日後、麻耶さんは母親に連れられて「産み分け」の専門医のもとを訪ねたという。 「その帰り道、私は母に『もし生まれたのが女の子でも、その次はないからね』と言いました。『こんな異常なことは1回で済ませたい』と…。母は黙っていました」 「最低限の交わりで済むように」と麻耶さんは基礎体温をつけて排卵日を算出し、父親を寝室に迎え入れた。麻耶とさんにとって父親は「二人目の男性」だったという。 「父が初めての人じゃなかったのが、せめてもの救いです」
5ヵ月間の地獄。『早く終われ』とひたすら願った
「父との行為は真っ暗にした部屋の中、無言で行われました。私は部屋中に反響する父の息遣いに背筋が寒くなるのを感じながら…父の身体の重みを息苦しく感じながら…『早く終わって』とひたすら願っていました」 期間にして5ヵ月弱、4回目の交渉で麻耶さんの妊娠が判明する。 「生理が止まり、妊娠検査薬で陽性反応を見た時は、心の底からホッとした気持ちもありましたが、同時に取り返しのつかないことをしてしまったような、恐怖のようなものも感じました」 数日後、麻耶さんは母親とともに「知り合いが院長を務める産婦人科」を受診し、妊娠が確定する。 「その夜、父は不在でしたが、母は祖父母に報告するため母屋に行きました。私は離れにいましたが、数時間、母は戻って来ませんでした」 そこでどのような話し合いが行われたのか、麻耶さんには知らされなかった。 「私が『おじいちゃんたち何て言っていた?』と聞くと、母は『喜んでいたわよ。当たり前じゃない』と答えました。『パパにも電話したら喜んでいたわよ』とも言っていましたが、それ以上のことは話してくれませんでした。母は誇らしげな顔をしていました」 麻耶さんには、不可解なことがもうひとつあった。 「母が突然、私を連れて家を出ると言い出したのです。『何かあった時のために病院の近くに引っ越す』ということでした。自宅からは車で1時間くらい離れた場所になります。ただ学校には近かったので通学は可能でした」 実際、麻耶さんは妊娠7か月まで高校に通っている。 「『背孕み』って言うんですか? お腹が目立たないタイプの妊婦だったので、周りに気づかれなかったんです」