東京五輪約1年前にマラソン代表の大迫傑が心境激白…「集大成。ただ何としてでも開催して欲しいという思いは…なければ次の目標に」
「コロナの影響で東京五輪が延期した今、トップアスリートがどういう姿勢で競技に取り組み、どんな練習をしているのか。それを若い選手たちに伝えて、(世界と戦う)基準にしてもらいたいという思いがあります。引退してからでは無理なので、今できること、誰もしてこなかったことをするのが大切だと思っているので、東京五輪の前に計画しました。一緒に日本を強くしていこうよ! という思いです」 日本のエースは自らの背中で次世代のエースを育成しようとしているのだ。大迫は早大在学中から度々渡米して、世界のトップランナーが集っていた『オレゴン・プロジェクト』の練習に参加。大学卒業後は米国を拠点にして、5000mで日本記録を樹立するなど、日本人では誰も到達していないハイレベルの結果を残してきた。それでも満足はしていない。現役選手としてさらに上を目指しながらも、自分には届かない高みを次の日本人選手に託したいと考えている。 そして最後に大迫は”魔法の靴”についても語った。東京マラソンで2時間5分29秒の日本新記録を打ち立てたナイキの厚底シューズの最新モデルである『エア ズーム アルファフライ ネクスト%』だ。 「前モデルよりもソールが厚くなり、少し重くなりましたが、慣れると重さは気になりません。前足部にエアが搭載されたので、反発力がさらに上がりました。地面を叩いた分跳ね返ってくる感じが気に入っています。一歩一歩が大股になったというか、きつくなってきたときに少ない力でスピードを上げられるので、より前に進む感覚が得られます」 1月末にワールドアスレチックス(世界陸連)からシューズに関するルール改定が発表され、靴底の厚さは40mmまでとなった。エア ズーム アルファフライ ネクスト%の靴底は39.5mmでギリギリセーフだ。 ナイキの厚底シューズを履いて、男子マラソンの日本記録を二度塗り替えた大迫。2021年の東京五輪に続く道を、「メダル」への挑戦だけでなく、日本マラソン界の未来を変えるようなストーリーにするつもりだ。 (文責・酒井政人/スポーツライター)