東京五輪約1年前にマラソン代表の大迫傑が心境激白…「集大成。ただ何としてでも開催して欲しいという思いは…なければ次の目標に」
来年5月23日に30歳を迎える大迫。年齢と実力を考えても、東京五輪は大きなチャンスになるだろう。しかし、本人は明確な”ターゲット”を決めていない。 「本番1年前なのでまだ目標は特にないですね。来年あるということを前提にしっかりと努力を続けていくだけです。東京五輪は大きな目標のひとつですし、年齢からしても集大成として、狙うべきじゃないかなと思っています。ただコロナの影響があるので、何としてでも開催してほしいという思いは、ないことはないですが…そこまで強くはありません。なければ、次の目標に向かって自分の価値を上げるためにやる。それだけです」 少し意外な回答をした男子マラソン日本記録保持者だが、自身の可能性を追求する気持ちは変わらない。そして、未来のエースに”タスキ”をつなぐことを具体的に考えているようだ。 大迫は前日15日にツイッターで、大学生を対象とした『Sugar Elite(シュガー・エリート)』というチームを発足させることを発表した。基準記録を満たした選手を最大10人集めた合同キャンプを8月17~24日に実施する。今回のオンライン取材では、その新プロジェクトの目的も明らかになった。 「これから大学生を強化するチームを作ります。なぜかというと、もっと強さを求めるには、所属に関係なく集まるべきじゃないかなという考えがあるからです。自分の力だけで世界と戦うのは限界がある。僕自身も大学3年時と4年時は練習相手に困りました。(ハイレベルな仲間が)集まれるチームがあれば、世界を目指すための近道になるんじゃないかと思っています」 日本には選手兼コーチはいるが、現役トップの選手が自らチームを立ち上げるという例は、サッカーの本田圭佑ぐらいだろう。大迫は日本の陸上競技界では誰もやったことがないチャレンジを、1年後に東京五輪という大舞台が控えているタイミングでスタートさせる。非常に勇気ある決断だ。