急転、第三世代の超厚底シューズ「アルファフライ」も使用OKで東京五輪はナイキ一色に染まる?!
2017年に本格デビューしたナイキの厚底シューズがマラソン界に革命をもたらしている。国内では2018年2月の東京で設楽悠太(Honda)が16年ぶりに男子マラソンの日本記録を更新すると10月のシカゴで大迫傑(ナイキ)が2時間5分50秒までタイムを短縮。世界記録も大幅に塗り替えられた。 2018年9月のベルリンでエリウド・キプチョゲ(ケニア)が従来の世界記録を1分18秒も更新する2時間1分39秒を樹立。昨年10月のシカゴではブリジット・コスゲイ(ケニア)が従来の女子世界記録を一気に1分21秒も短縮する2時間14分04秒をマークした。 ソールの厚さが4センチ近くある“魔法の靴“が登場して、男女ともに世界記録は1分20秒近くも短縮。1km毎では従来の世界記録より約1.9秒も速く走った計算になる。これは異常ともいえるタイムUPだ。 1月15日に複数の英国メディアが、ワールドアスレチックス(以下、世界陸連)が新規則でナイキの厚底シューズを禁止する可能性が高いと報じてから、世界中で様々な憶測が飛び交った。日本でも大きく取り上げられた「厚底問題」だが、1月31日に世界陸連からシューズに関するルール改定が発表された。すでに市販されているモデルは禁止されずに使用可能で、4月30日以降は新規則が適用される。主な内容は次の3つだ。 ●靴底の厚さは40ミリまで。 ●複数のプレートを靴底に内蔵してはいけない。 ●レースの4か月前から一般購入できること(医学的理由などでカスタマイズされたものは許可される)。 東京五輪のマラソン代表に内定している中村匠吾(富士通)、服部勇馬(トヨタ自動車)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)はナイキの厚底シューズを使用しており、今回の発表にホッとしていることだろう。米国・アルバカーキ合宿に向かった中村は、「今のシューズは非常に合っているので、引き続き使っていきたい」と話している。