元巨人ドラフト1位、39歳で高校教師、監督9年目で甲子園出場 東海大相模・原俊介監督が振り返る波乱の野球人生
── いまさらながらですが、東海大相模という伝統の重み、そして"元プロ"というプレッシャーはあったと思います。 原 もちろんありますが、それを公言したところでどうにもなりません。結果がすべてなので、勝たないと。「自分がコントロールできないことを気にしてもしょうがないよ」と、野呂雅之先生(桐光学園監督)の助言に救われたこともありました。 ── 原先生のインタビューの間、ダグアウトで選手同士が涙の抱擁。そして胴上げは8度でした。どんな気持ちでしたか。 原 宙に舞っている瞬間は、ふわふわした気持ちでしたね。ただ、甲子園に行かせてあげられなかった生徒たちも、静岡翔洋時代から合わせて8世代いるわけで......その子たちがいてくれたからこそ、毎年ブラッシュアップすることができ、この夏の甲子園があったと思っています。これまで関わった生徒すべてに感謝しています。 つづく>> 原俊介(はら・しゅんすけ)/1977年8月30日、神奈川県生まれ。東海大相模高の3年春にセンバツ大会出場。95年ドラフトで巨人から1位指名され入団。巨人で11年プレーし、引退後に教員免許を取得。2016年から東海大静岡翔洋高の監督に就任。21年夏は静岡大会決勝まで進んだ。同年秋に母校・東海大相模高の監督に就任。24年夏、神奈川大会を制し、監督として初の甲子園出場を果たす。甲子園でもベスト8進出を果たした。
飯尾哲司●文 text by Iio Tetsuji