「白内障」「緑内障」の対策を眼科医が伝授! 中年層必見の“目の衰え”から身を守る方法とは
中年層になると、目のちょっとした症状が気になる人は増え、目の健康に対する関心が高まります。特に、白内障や緑内障は中年以降の人に多くみられる疾患です。今回は、中年以降に多い目の疾患とその治療法、白内障・緑内障などから目を守るための具体的な方法などについて、「稲毛海岸やすだ眼科」の安田先生に解説していただきました。 【イラスト解説】「白内障」かもしれない見え方のサイン 【この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております】
中年層は特に要注意! 白内障・緑内障とは?
編集部: 加齢とともに、目のトラブルが気になります。 安田先生: そうですよね。年齢を重ねるにつれて、目に様々な変化が生じるのは、どんなに気をつけていてもある程度避けられないと思います。 編集部: 加齢に伴って増加する目の病気にはどんなものがありますか? 安田先生: 目の中の水晶体が濁って視力が低下する「白内障」が代表的です。50代頃から徐々に発症する人が増え、高齢者のほとんどにみられる病気です。 編集部: ほかには、どのような疾患がありますか? 安田先生: 「緑内障」も加齢が要因で発症します。緑内障は、目の中の水(房水)が眼外に排出されにくい状態になり、眼圧が上がることで視神経が障害され、視野が狭くなる病気で、こちらも加齢に伴って増えてきます。緑内障は近視が強い人や、家族歴がある人では特に注意が必要です。 編集部: 加齢が原因の目の疾患は多岐にわたるのですね。 安田先生: そうですね。ほかにも、網膜の中心部分である黄斑が損傷を受け、視力が低下する「加齢黄斑変性(AMD)」や涙の分泌が減少し、目が乾燥してしまう「ドライアイ」なども中高年に多くみられます。さらに、もともと糖尿病や高血圧のある人は、血糖値や血圧が高い期間が長くなるにつれ、「糖尿病網膜症」や「網膜静脈閉塞症」などのリスクが上がってきます。
中高年の目の病気、どんな治療法がある?
編集部: それぞれ、どのような治療があるのでしょうか? 安田先生: 白内障は、濁った水晶体を取り除き、人工のレンズを挿入する手術しか治療法はありません。その一方、緑内障は眼圧を下げる点眼薬やレーザー治療をおこない、改善しなければ手術などの治療法を検討します。 編集部: 加齢黄斑変性についてはいかがでしょうか? 安田先生: 最も多くおこなわれているのが「抗VEGF療法(抗VEGF薬硝子体内注射)」という、注射による治療です。ほかには、初期であればルテインのサプリメントや、光感受性物質を体内に注入し、それに反応するレーザー光を当てる「光線力学療法(PDT)」などの治療もあります。 編集部: ドライアイについても教えてください。 安田先生: 目薬や瞼を温める「温罨法(おんあんぽう)」、それでも改善が乏しい場合には手術療法(涙点プラグ)などがあります。あとは、保険適用外になりますが「IPL治療」という光エネルギーを使った治療法もあります。