【単独】「ディズニー越え」に本気のGENDA会長、ハズレすぎた「配属ガチャ」とは
2020年に赤字だったセガのゲームセンター事業を買収後、わずか1年で黒字化を果たし話題となったGENDA。「世界一のエンタメ企業になる」ことを掲げる同社を率いるのが、創業者で現会長の片岡尚氏だ。GENDA創業前に社長を務めていたイオンファンタジーでは、ゲームセンター事業を業界トップに押し上げるなど辣腕(らつわん)をふるった片岡氏だが、新卒時には「配属ガチャ」に泣かされた経験があったという。2040年に「ディズニー越え」を見据える片岡氏を突き動かす思いはどう形作られたのか。単独インタビューはひさしぶりだという片岡氏が、その情熱の源泉をたっぷりと語った。
小学校時代に考案した「あるゲーム」
──GENDAは「世界一のエンターテイメント企業になる」をビジョンに掲げています。片岡さんはなぜ「エンタメ世界一」を目指しているのですか?また、もともとエンタメ業界にはいつごろから入ろうと思っていたのでしょうか? 片岡 尚氏(以下、片岡氏):原体験としては、小学校の時にちょっとしたカードゲームを作っていたことがあります。パラメーター表示された既製品のカードにサイコロ使ってランダムでバトルするルールだったのですが、勝った方がメンコのようにそのカードまで奪えてしまう、射幸性の高いゲームでした。それが同じクラスから始まって学年中、その後上や下の学年まで合わせて学校中で流行ったのです。 その後も、中学校に入ったらテーブルトークRPG『Dungeon&Dragons』のダンジョンマスターをしたり、大学に入っても当時のディスコでパーティーを企画したりしていて、「自分が作り出したものでみんなが楽しく遊んでいる状態」というのが大好きで、それを仕事にしようと最初から決めていました。振り返れば「エンタメで世界一の会社を作るぞ」というのはすでに大学時代から言っていましたね。 ──1995年のご就職、ということで、エンタメという観点から考えると任天堂やセガのような会社を選んでいてもおかしくなかったと思います。そうした中でジャスコ(現在のイオン)を選んだのはなぜなのでしょうか? 片岡氏:就職活動では、私なりに色々なエンタメ企業を探していました。ゲーム会社、テーマパーク、映画館、スキー場まで。そうした中で、当時すでにジャスコの中でゲームセンターが作られていて、30店舗くらいは展開されていました。それまではゲームセンターって「不良のたまり場」みたいな印象もあった中、ファミリー向けに特化した、誰もが入りやすいゲームセンターというコンセプトが私に刺さったのです。大きなエンタメ会社に入っても優秀な同期が多くいる競争環境に行くより、あえてジャスコにエンタメ目的で入る人間は少ないだろうとも考えました。 面接で「ゲームセンター志望です。それをやるために来ました」と熱弁をふるったら、「ウチに来たいという人間でそんなことを考えているのはキミだけだ。合格だ!幕張本社でアミューズメント部門勤務にするからぜひ来たまえ」と即採用となったのを覚えています(笑)。