通算200ゴールも視界に?!なぜ38歳の大久保嘉人はC大阪で蘇ったのか…逆転負けも“王者”川崎F相手に2ゴール
数え切れないほどの思い出を刻み込んだ等々力陸上競技場に、歴代最多得点者の雄叫びが2度も響きわたった。復活の狼煙をあげた開幕戦に続いて古巣でもある王者・川崎フロンターレのゴールも陥れ、早くも3ゴールをあげたセレッソ大阪のFW大久保嘉人(38)が絶好調モードに突入した。 両チームが出場するACLと日程が重複する関係で、4月24日から前倒しされる形で行われた3日の明治安田生命J1リーグ第11節。試合が動いたのは前半のキックオフからわずか5分後だった。 右タッチライン際を敵陣深くまで攻め上がったMF坂元達裕が、川崎の選手たちに前方をさえぎられた状況で左斜め後方に一度ボールを戻した。パスを受けた大久保は、センターバックのジェジエウが間合いを詰めてこないと見るや、挨拶代わりとばかりに迷うことなく右足を振り抜いた。 「時間帯が早かったので、とりあえずゴールの枠内に飛ばそう、という気持ちで打ったら、ボールがブレて飛んでいったのでよかったと思っています」 ペナルティーエリア右角の後方、ゴールまで20mほどの距離から放たれたミドルシュート。力みや気負いのないフォームが芯をとらえさせてブレ球を生み、さらに緩やかなループ気味の軌道を描かせながら、意表を突く一撃は川崎の守護神チョン・ソンリョンの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。 直後の前半7分にFWレアンドロ・ダミアンに豪快なボレーを叩き込まれて同点とされても、大久保の先制ゴールで勇気づけられたセレッソの勢いは止まらない。前半22分に勝ち越しゴールを決めたのはまたも大久保。今度は濃密な経験に導かれた、洞察力から泥臭いゴールが生まれた。 FW高木俊幸が放った直接フリーキックが川崎の壁に弾き返された流れのなかで、右サイドにこぼれたボールを右サイドバックの松田陸が拾う。FW三笘薫のマークを外して前を向き、得意とするクロスをゴール前へ送った次の瞬間、川崎とセレッソにとって予期せぬ事態が生じた。