秘境感漂う別世界! 高山植物の宝庫「秋田駒ケ岳」のムーミン谷で初夏の花を愛で、名湯に癒やされる
激登りを経ていよいよ山頂へ
駒池を過ぎて、分岐を右へ進むといよいよ山頂への急登パートに突入します。この付近は、最近まで積雪が残っていたようで、雪解け前から雪の下で芽吹いていたと思われる、いろいろな植物の新芽が面白い姿を見せていました。植物って、日に当たって初めて緑色になるんですね。 春の訪れと同時に咲きはじめるスミレの仲間たち。スミレの同定はけっこうややこしいのですが、何種類かが咲いていました。 優美な紫色が印象的なシラネアオイもまだたくさん咲いていて、きつい登りのつらさを癒してくれました。 この付近が、今回の山行で一番きつい登りです。ゆっくりゆっくり、花や景色に癒されながら行きましょう。 振り返ると、南側に女岳の火口が見えました。ほんの50年ほど前にあの火口が噴火していたなんて……。 山上部にある阿弥陀池。池のほとりに避難小屋があります。ちょうどお昼時で、たくさんの登山者が休憩していました。 前回来たときはココで想定外の吹雪になったのですが……。 今回は、お天気は大丈夫。前回、何も見えなかった山頂を目指します。
いよいよ秋田駒ケ岳(男女岳)へ登頂
阿弥陀池の避難小屋からは、山頂はすぐ目の前に見えているのですが、意外ときつくて長い。つづら折りの階段道をひたすら登ります。 ちょっと曇ってるけど、景色はバッチリ。田沢湖も見えました。雨を覚悟で来たけれど、やっぱり山頂で景色が見えたらうれしいです。 さて、八合目を目指して下山します。途中、また田沢湖がよく見えるスポットがありました。 田沢湖は、周囲約20kmの巨大な湖。水深が423.4mもあるとかで、田沢湖を眺めていると「日本で一番深い湖なんですよ」と話しかけてくださる方が何人も……。 カルデラ湖だという説もあるものの、火口であった証拠は見つかっておらず、隕石がぶつかってできたという説まであるけれど、その深さになった要因は今もなお不明だとか。なんともミステリアスな湖です。 下りの道でもいろいろな花が咲いてます。まだミネザクラが咲いててちょっとうれしい。 それもそのはず、北側斜面は、まだ雪が完全に消えてなくて、ちょっと前まで冬だったみたい。 秋田駒ケ岳は、たおやかで美しい山ですが、やっぱり活火山なんですね。火山らしい景観がそこここで見られます。 八合目の避難小屋には、噴火に備えてヘルメットが備蓄されていました。 さて、ここでバス待ちをしていたときに、ショッキングな事実が発覚。 コーヒーを買おうとして、ついでに売店のスタッフさんに「次のバスは……?」と話しかけたところ、 「バスの運行は明後日からですよ」 え? マジですか……。 親切なスタッフさん、 「誰か便乗させてくれそうな人はいないかねぇ」と駐車場を見渡してくださったのですが、なんせこちらは4人連れ。そんなに乗れそうなクルマはいないかも。 前回、ココから緊急避難的にタクシーをお願いしたことを思い出しつつ、またしてもその時にお世話になったタクシー会社に電話しましたとさ。想定外の出費がツラい……。 まぁ、おかげで温泉へ直行となりました。今宵は秋田が誇る乳頭温泉郷の黒湯で一泊の予定。ゆっくりと火山の恵みにひたることができました。 二度目の秋田駒ケ岳、控えめに言って最高でした。また時期を変えて来てみたい。東北はやっぱり憧れの地です。
根岸真理