「はあ? 良いところ取りじゃん」夫が家事育児を「“やった気”になってる問題」に妻たちが怒る“本当のワケ”
古い価値観が夫である男性をつけ上がらせる
ちゃんと育児や子育てに向き合っている母親は、その中で起こる面倒事や困りごとの処理をするだけでなく、嫌われ役も引き受けねばなりません。 それなのに、子どもの機嫌がよく可愛いときだけ、あやしたり遊んだりして育児をやった気になっているから、腹が立つのは当たり前なんですよね。 しかも子どもを躾けているときに、「ちょっとキツいんじゃない?」「もう少し優しくしてあげても」なんて言われたら、「お前がしないことをこっちはやってるんだよ」と思うのは、しょうがないことだと思います。 この「夫が家事や育児をやった気になっている問題」がなぜ起こるのかと言うと、いまだに古い価値観に縛られている日本人男性が多いことが最たる原因だと言えます。 その価値観とは、「家事と育児は女の仕事」です。 今の時代、こんなことを言おうものなら大炎上必至なので、さすがに表立って言わない男性の方が多いと思います。 しかし、それはあくまでも言わないだけであって、家事や育児をやった気になっている男性の多くが思っていることがこれなんですよ。 「俺は外で働いて大変な思いをしてるのに、家のことまでしてやってる」 これは、夫婦共働きであっても関係がありません。 それもそのはず、この思いの根底にあるのは「家事と育児は女の仕事」という価値観だからです。 なので前提が、「家事と育児は男の仕事ではない」なんですよね。
子どもは母親の付属物じゃない
イクメンというワードが流行語になった数年前、そんなことを話題にする日本人に対し、多くの外国人が驚いたそうです。 なぜなら、欧米諸国では男性が家事や育児をやるのは当たり前のことだからです。 家事や育児に「参加する」「手伝う」という概念じゃなく、「するもんでしょ」なんですよ。 大人気漫画「ミステリと言う勿れ」で、主人公の久能整が、「育児に参加する・手伝う」とドヤ顔で言う池本に対し、言った台詞があります。 “「池本さんはお子さんを奥さんの付属物だと考えてないですか。 だから”参加する”とか”手伝う”なんて言葉が出るんじゃないですか。 子供を産んだら女性は変わると言いましたね。当たり前です。ちょっと目を離したら死んでしまう生き物を育てるんです。 問題なのはあなたが一緒に変わってないことです」” (出典:『ミステリと言う勿れ』田村由美/小学館) 実際、子どもを母親の付属物というように考えている男性ってものすごく多いんですよ。 じゃないと、面倒事や困りごとを妻である女性に任せっきりにしないですからね。 当事者意識が足りないことで、良いところ取りが生まれてしまうわけです。 さらに、前述した古い価値観を持っている男性は、仕事を頑張って稼いだら、他のことが全てチャラになるという偏った考えを持っています。 次回は、そのことについて掘り下げていきたいと思います。