【蛯名正義コラム】印象に残った武豊&ドウデュースのジャパンC 目標に向けて最後まで突っ走ります!
【蛯名正義コラム】 東スポ読者の皆さま、1か月のご無沙汰でした。調教師の蛯名です。 11月の蛯名正厩舎は東京の未勝利をダンツファイターで勝って計1勝。一方で2着が3回、3着が3回もあって、なかなか勝ち切れず…とは、先月のコラムでも書いた通りですね(苦笑)。 ただ最近は少し考え方も変わってきて、3着があるからこその2着で、2着があるからこその1着なんじゃないかなと思うようになりました。もちろん出るレースすべて勝てれば理想ですけど、現実的にはそうはいきませんし、勝てばクラスが上がって、より勝ちづらくなるのが中央競馬のクラス編成ですから。だから最近は2、3着も、将来の1着へ向けたステップだと考えるようにしているんです。 例えば先週の日曜中山2勝クラスを勝ったホウオウムサシ。1勝クラスでは2着5回と足踏みが続いていましたが、その間に少しずつ心身がしっかりしてきて、ようやく本格化。この秋は1、3、1着と軌道に乗ってきました。なかなか勝てずに歯がゆい思いもしましたが、今にして考えれば決して無駄な時間ではなかったと考えています。 他ではキャピタルSで3着だったレッドモンレーヴも悪くありませんでした。近走は追走面に問題があって競馬に参加できていないような感じでしたが、今回は中団のインから脚を伸ばす、最近にはない内容。チークピーシーズ着用や普段の調教の取り組み、マーカンド騎手の手綱など、うまくかみ合ってくれたのかなと思います。次走はGⅡ阪神カップ(21日=京都芝外1400メートル)を予定。同じような立ち回りができれば条件もピッタリ合いそうなので、引き続き期待したいですね。 競馬界全体に目を向けると、先月はやはりドウデュースが勝ったジャパンCが印象に残りました。馬のポテンシャルの高さはもちろんのこと、それを余すことなく引き出した(武)ユタカも見事。単に流れに乗るのではなく、後方で我慢を重ねてからの直線一気ですから。かつてディープインパクトに乗っていた時にも思いましたが、馬の個性や特長を生かすのが本当にうまいジョッキーですよね。そりゃあ国内外でGⅠを100勝以上するわけだと改めて感心しました。 そんなわけで2024年の中央競馬も今月でおしまい。毎年、毎年言っていますけど、今年もあっという間の1年でした。ここまで振り返ると中央18勝で、地方交流が1勝。できれば中央だけで20勝したいというのが今の目標です。ラインアップ的には十分可能な布陣だとみているので、最後まで全力で突っ走りたいと思っています。
東スポ競馬編集部