写真家・若木信吾さん親子インタビュー「書店BOOKS AND PRINTSの話」
-お父様はいわゆる「絵心」はあったんでしょうか? 「年賀状とかは一生懸命書くんですね。お袋が商売をやっていたんで、お客さんに何百枚も書いていて。印刷だと面白くないから自分で工夫してとか、そういういうものの延長じゃないですかね? 大事なのは絵のクオリティじゃないんですよね。書体も同じで。写真集の題字を頼むこともあるんですが、作家性のあるものというよりも、生活に即した民芸的な感じというのかな。名もない人たちのニーズにあったところから自分たちでできることをやっていく感じというか、そういうものの良さががあるっていうか。あの紙袋に達筆な字を書かれてもちょっと困るしね、対応しきれない(笑)。 そういう意味ではデザインに寄っているところがいいかな。ちょっとしたアイデアはあったと思うんですよ。子供の頃の体育のゼッケンの名前とかも、やたらレタリングされたイタリックのフォントとかだったし(笑)。昔から好きだったんだと思いますよ」 若木さんは淡々とだけど、熱がこもった喋り方をする方だ。私は今後のBOOKS AND PRITNSについて聞きたかった。 「スタッフの中村さんや新村さんが自発的にやってくれているのは、すごく良かったです。今は怖々と試しながらやっている感じですが、もうちょっと早く動けるようになったらもっと良くなると思います。内側に求めるものは厳しいんですが、もの凄く感謝していますよ。 基本的には書籍は情報を扱うものの中では一番ベースなものだけど、今はインターネットなんかでも情報を発信する方法はいくらでもあるので、ここを起点に多角的なメディアの使い方をしていきたいですね。 あとはネットで何かを探すものそうだし、ネット上の評判を事前に調べてから行動するっていうのは、自分たちもやっていることではあるんだけれど、もうちょっと人から教わったからやってみるとか、直接的なつながりのある人のきっかけから何か行動をすることの大事さみたいなものがあると思っていて、そのためにうちの本屋はあると思っています。だから本屋なんですけど、色々な人に来てもらってなんでも聞いて欲しいと思っていますね」