「もう少しできないか」葛藤も 安倍首相、辞任判断は「自分一人で」
安倍晋三首相は28日、辞意を表明した記者会見で、言葉を詰まらせながら「もう少し(首相としての仕事が)できないかという気持ち、葛藤がなかったわけではない」と語る場面があった。
判断において念頭においたのは、第一次政権(2006~07年)時の経験があったという。安倍首相は会見で、「前回は内閣の改造を行って、国会の招集を行い、所信表明をした後の辞任だった。今回はとにかく(自民党の役員)人事、そして国会の前に私は判断しなければいけない(と考えた)。万が一にも同じようなことをしてはならないと判断した」と語った。 一方で、任期途中での辞任になったことに関しては「さまざまな批判があるのは当然だ。甘んじて受けなければならないと思っている」と話した。そして「今回、なんとかコロナ対策に空白を生まないようにということに腐心してきた。そこで(感染の)拡大傾向から減少傾向に転じたとき。さらには秋から冬のインフルエンザの流行に向けて対策をとりまとめることができて、その実施についても目処が立ったというときを選んだ」と続けた。 記者からは、辞任の判断に際して誰かに相談したのか、との質問も出たが「これは私自身、自分一人で判断をした」と答えた。