「ねぇ、ちょっと手を握って」…野村克也さんが明かしていた「悪妻・サッチー」の知られざる最期
結婚なんて100%考えなかった
その頃、彼女は野球の「や」の字も知らなかった。当然、俺が誰かも分からない。しばらくして、お店の受付から誰かに電話をし始めたんだ。「野球の野村さんって知ってる?」って。息子と話していたんだけど、声が大きいから内容が丸聞こえなんだよ。戻ってきた彼女に「何て言ってました?」と尋ねたら、電話に出た長男(団野村氏)が「野村さんはすごい人だよ!」と言ったらしい。 結局、俺が切符を取ってやって、彼女と息子2人がその日のナイターを見に来よった。まぁ、こっちは離婚訴訟を抱えて妻とも別居中。全くの天涯孤独という状況ですよ。そんな身の上話をしたから、彼女にしてみれば「いいカモを見つけた」と思ったんじゃないの。再婚するにしても、母親は子供を第一に考えるでしょう。その息子が2人とも野球少年で俺を「すごい人」と言うものだから、「この人がパパならうまくいくかも」と考えたんだろうな。 こっちの結婚生活はすでに破綻していたし、サッチーさんと出会って前妻との離婚を決めたわけではないんです。彼女には子供もいたから出会った時は結婚なんて100%考えなかった。とはいえ、東京遠征やシーズンオフで上京する時は一緒に過ごすようになって、まだ離婚訴訟に決着がつく前に克則が生まれてね。そのうち、スポーツ新聞が彼女との関係を「愛人問題」として報じたわけです。 *** 「愛人問題」報道で窮地に立たされたノムさんは、南海の幹部陣から「野球を取るか、女を取るか」と迫られることに――。第2回【「俺にはぴったしの奥さんだった」 ノムさんが携帯を5台折られても「サッチーに恨み言は一切ない」と断言した理由とは】では、「何とかなるわよ!」と言い放った沙知代さんが実は「正しかった」ことや、むしろラッキーガールだったと思う理由などを語っている。
デイリー新潮編集部
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