「ネット上に居場所を求めてもいい」マキシマム ザ ホルモン ナヲがいじめ経験から考えた“ママ友との付き合い方”
子どもの入園・入学をきっかけに広がる「ママ友」との交流。持ち物や行事についての情報を共有したり、子育ての悩みを相談したり、助け合える存在である一方、ママ友との関係に息苦しさを感じる人も少なくない。子どもの頃にいじめを経験し、2児の母でもあるマキシマム ザ ホルモンのナヲさんは、ママ友と付き合う上で複数のコミュニティに参加し、「どこかのコミュニティで苦しくなっても逃げられるようにしている」と語る。「相談しやすい相手に心を開き、思いつめず前向きに生きていけたら」と言うナヲさんに、ママ友との付き合い方を聞いた。(Yahoo!ニュース Voice)
ワンオペ状態の時に、ママ友の“重く考えすぎない”言葉に救われた
――ナヲさんがママ友との交流を始めたのはいつごろですか。 ナヲ: 初めてママ友ができたのは、長女が1歳目前で保育園に入った時です。いま振り返ると、当初はよそよそしいやり取りをしていたと思います。 打ち解け始めたのは、保育園での最初の保護者会の時です。参加した保護者の方々が、一人ずつ自分の仕事や趣味について自己紹介していったのですが、その時にどうせいつかバレるからと、思い切って自分の仕事について話したんです。そしたら名前は聞いたことがあるという方が何人かいらっしゃったのと、私が子どもを出産するニュースを見て「自分の子どもと同い年だと思ったんですよ」と興味を示してくださった方もいて、そこから次第に親しくなっていきました。あの時、変に隠さずに自分のことを話したことで、距離を縮めることができたのかもしれません。 子どもを保育園に通わせているということは、基本的にみなさん仕事に就いているということ。「働きながら0歳の子どもを保育園に預ける親」という同じ状況に置かれた同士なので、戦友のように思えて自然と結束が固くなっていったところもあると思います。 ――そのようにしてできたママ友の存在に救われたことはありますか? ナヲ: 長女が赤ちゃんの頃、全くご飯を食べてくれない時期がありました。当時は夫も忙しかったので、ほぼワンオペ状態だったんです。1人目で気張っていたこともあり「食事は出汁から取って、食物繊維とタンパク質と炭水化物をバランス良く取り入れなくては」と考えも凝り固まっていました。しかし、頑張ってご飯を作っても子どもは食べてくれないし、嫌がって食べ物を投げたりする。SNSで他のママさんのアカウントを見ると彩りもきれいで見た目もかわいくて、体に良さそうなご飯を作っていて、自分との落差に気を落としてしまっていたのです。 そんな状況をママ友に話したら「腹減ったら食べるよ!」と言われたんです。「いいのかなー? 食べないと死んじゃうけど」と当初は思ったんですが、重く考えすぎないその言葉に助けられましたね。その経験があるから、私自身も子育てに悩む友達や後輩に対して、重く考えすぎないような言葉をかけるようにしています。 ――逆に、ママ友とトラブルになったことはありますか? ナヲ: うちの子が低学年の時、ママ同士はすごく仲がいいけど、子どもたちの間でちょっとしたもめ事があって親が入る問題でもないけど…という感じで親同士も少し気まずくなったことがあります。子どもは自分にとって良いことしか言わないし、親はやっぱり自分の子どもが言うことを信じますよね。その時は、結果的にうちの子が悪いということがわかったので、すぐ連絡して謝りました。「すごく嫌な思いをさせてごめんね。うちの子にはちゃんと話をして、今後しないように言い聞かせます」と伝えて、いまでは元どおり仲良くさせてもらっています。 他には、以前長女が男の子に腹部を蹴られたり、暴れているその子の巻き添えを食ったりして、その男の子のお母さんから謝罪の電話がかかってきたことがありました。同じ子から何度も暴力を振るわれていたので最初はイラッとしたのですが、こらえて向こうの話をいろいろ聞いていたら、30分後ぐらいには「〇〇くんママ、頑張ってるよ! 大変だったね」と私も感情移入しちゃって、気がついたら向こうのお母さんと一緒に泣いていた、なんてこともありました。それからは、女の子のママと男の子のママで子育ての大変さも見え方も違うんだな、話を聞いてみないとわからないな、と思うようになりましたね。いまは「ママの立場によって見えているものが違う」ということを理解した上で、物事と向き合うようにしています。簡単なことではないんですけどね。