「娘夫婦のやり方を尊重して、あまり関わりすぎないように」森尾由美に聞く“おばあちゃんの心構え”
5月5日のこどもの日に、歌手デビュー40周年を迎える森尾由美さん。現在も女優・タレントとして活躍しており、プライベートでは去年初孫にも恵まれた。そんな森尾さんは、娘夫婦が自分たちのやり方で育児をしていけるように「あまり関わりすぎないように気を付けている」と語る。娘さんの出産・育児の様子を見ていて感じた社会の変化について話を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
孫が誕生したことで感じた“昔と今の育児の違い”
――孫が生まれて“おばあちゃん”になると知ったとき、率直にどんな思いを持ちましたか。 森尾由美: のんびりしていたら、思いのほか早く孫ができたので、ちょっと気持ちがついてこない部分もありましたけど、顔を見たらとてもうれしかったですね。 孫ができたのがわかったとき、娘は不安になりやすい性格なので「情報過多になると不安になるから、あまりSNSを見すぎないで」と伝えていました。私の頃と比べると、ネット社会で出産や育児に関する情報もあふれています。必要な情報もありますが、情報が多すぎてどれを信じていいかわからなくなるので、取捨選択が難しいなと思いますね。 ただ、一方で、娘を見ていてネット時代の出産・育児にも良さはあると感じました。例えば「今日ちょっとお腹が張っている」と娘が言うときも、親の私が「大丈夫だよ」と言うよりも、ネットでつながっている同じ状況にいるママから「大丈夫だよ」と言われる方がどうも安心するみたいで。私の頃は、区役所や保健所、あるいは公園にいるママ友としか出産や育児に関する悩みを共有できませんでしたが、娘は家にいながら先輩ママさんにアドバイスをもらったり、同じ境遇の方と支えあったりできていて、うらやましいですね。 ――お孫さんや娘さん夫婦との関わり方で気をつけている点はありますか。 森尾由美: 主人には初めから「娘の家庭にあまり関わりすぎないように」とくぎを刺されていました。娘夫婦のやり方があるし、そこに私が口を挟んでしまえば、彼らのペースやスタイルを崩しかねない、と。そのため、なるべく私から連絡をしないようにしています。いくら実の娘でもおせっかいが過ぎると嫌がられちゃうと思ったので。 私は子どもが生後1カ月の時に仕事に復帰したので、子育てに関しては全面的に母のお世話になりました。母は3人の子どもを育て上げていますし、私自身が子育ての情報をあまり持っていなかったということもあり、「母のやることは絶対に間違ってない」と思っていたんです。 一方、娘は育児休暇をとって、病院で教わってきたことを中心に、娘のやり方で子どものお世話をしています。なので、娘から「助けて、手伝って」と言われない限りは、手を出しすぎないようにしています。育児のやり方に関しても、もし自分の方法と違っていたとしても「そこ違うわよ」なんて言わないように気をつけていますね。