【大阪グルメ】和菓子の老舗『出入橋きんつば屋』の暑い時期しか食べられない謎メニュー「しがらぎ」って何?
●昭和5年(1930年)の創業以来、変わらぬ味で愛され続ける『出入橋きんつば屋』。暑い時期だけ登場する謎メニュー「しがらぎ」を食べてきた。
天下の台所、食い倒れの街と呼ばれる大阪。古くから愛される名店が数多く残っています。JR大阪駅から徒歩10分の場所にある『出入橋きんつば屋』は、昭和5年(1930)創業の老舗。地元民だけでなく、芸人やミュージシャン、政治家など、多くの著名人から愛される名店です。 大阪通しか知らない『出入橋きんつば屋』の「しがらぎ」はひんやりもちもち!
創業時と変わらぬ製法で作り続けるきんつばが有名ですが、暑い時期だけ登場する「しがらぎ」という聞き慣れない名前のメニューがあるという情報を入手。気になって食べに行ってきました。
ひんやりモチモチ!素朴な「しがらぎ」
テイクアウトが中心のお店ですが、イートインスペースもあり、作りたての和菓子をお茶と一緒にいただけます。店内は昔から変わらない昭和レトロな佇まい。温かいお茶を飲みながらのんびりしていると、お目当ての「しがらぎ」が運ばれてきました。
洗ったもち米を筒状の袋に入れて蒸し、ひと晩冷やしてたこ糸で切ったもので、昔から関西で食べられている夏のお菓子なのだとか。ちなみに、「しがらぎ」という名前は、ザラッとした表面が信楽焼きに似てることからつけられたと言われています。 大阪で生まれ育った筆者ですが、名前を聞くのも食べるのも初めて。というのも、最近では作っているお店が少なくなっているそうです。 ツヤツヤとしたもち米の上には、たっぷりの粒あんときな粉がかかっています。間違いないビジュアルに、思わずおいしそ~と声を漏らすと「おいしそうじゃなくて、おいしいの!」と店員さん。老舗の誇りが感じられます。
一口食べてみると、お米の甘味とつぶつぶ食感が楽しめて、まるで冷たいおはぎのよう。きな粉は香ばしく、ほんのりと優しい甘さです。粒あんは豆の形がしっかり残ったホクホク食感で、塩気が効いています。 店員さんにおいしさの秘訣を聞いてみると「小さい和菓子屋さんはあんこを作らないところも多いけど、うちは全部手作り。北海道産の小豆を奥の釜で炊いています」とのこと。 食べている途中、何度も「お茶足りてる? 入れてあげよか」と声をかけてくださり、田舎の祖母の家に遊びに来たかのようにリラックスできました。