イスラエル、休戦妥結秒読みの中でヒズボラ標的25カ所猛爆
レバノン南部で地上戦を行っているイスラエルとレバノンの親イラン武装組織ヒズボラがまもなく休戦合意に到達するという観測の中でも、イスラエル国防軍が25日(現地時間)、引き続きレバノンに猛爆を加えた。 イスラエル国防軍はこの日午後、レバノンの首都ベイルート郊外の周辺、南部ナバティエとダーヒエ、東部ベッカー高原とバールベックなどヒズボラ執行委員会に属した標的約25カ所に空爆を加えたと明らかにした。 イスラエル国防軍は「執行委員会指揮本部や情報統制センターなどを狙った今回の爆撃で、ヒズボラの指揮統制と情報収集能力を低下させた」と説明した。 イスラエル国防軍によると、ヒズボラ執行委員会は兵力配置、戦闘力支援、イスラエルに対するテロ攻撃実行などに対する戦略的意思決定過程に関与して、資金調達に関連した活動を行っている。先月イスラエル国防軍が集中的に空爆したヒズボラ連係の金融機関「アル・カルド・アル・ハサン」も執行委員会の所属だ。 レバノン駐留の国連平和維持軍(UNIFIL)はこの日出した声明で「ここ数週間イスラエル国防軍の攻撃でレバノン軍の所属軍人45人が死亡し、レバノン軍の建物と資産が破壊された」と明らかにした。あわせて「レバノン領土でレバノン軍を標的に攻撃するのは国連安全保障理事会決議第1701号と国際人道法を露骨に違反するもの」としながら「葛藤当事者は暴力ではなく交渉で違いを克服していくよう望む」と付け加えた。 この日、カーンやハアレツ、ワイネットなどのようなイスラエルメディアは、米国が提示した休戦案にイスラエルが大きな枠組みで合意したと報じた。ロイターによると、米国のバイデン大統領とフランスのマクロン大統領は36時間内に休戦を発表することが予想される。米国高位当局者は米メディア「アクシオス(Axios)」に「イスラエル安保内閣が26日ごろ合意を承認すると期待している。合意に至ったと考える」と述べた。 米ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報担当調整官はこの日の会見で「われわれは近い地点まで来たと考える」としながらも「まだ(休戦合意に)到達していない」と明らかにした。用心深い態度ではあるが休戦議論に相当な進展があったと読むことができる部分だ。 休戦が実現すれば、昨年10月イスラエルがパレスチナ武装組織ハマスに奇襲されてヒズボラと交戦を始めてから13カ月ぶりに砲声が止まることになる。