スパイク時速128キロ、米の大学女子バレーのトランス選手が物議 相手チーム棄権相次ぐ
米西部カリフォルニア州にあるサンノゼ州立大の女子バレーボール部に在籍するトランスジェンダー選手が物議を醸している。この選手との対戦を拒否して棄権する相手が相次いだため、チームは快進撃を続けた。27日から始まる選手権大会でも棄権が出ると予想されている。大学などを提訴する選手が出る中、大統領選でこの問題を取り上げていたトランプ次期大統領は、就任とともに動き出す可能性がある。 【写真】身長185センチ、米サンノゼ州立大のフレミング選手 ■12勝の半分は不戦勝 FOXニュースなどによると、この選手は3年生でアウトサイドヒッターのブレア・フレミング選手。1年生のとき、南部サウスカロライナ州の大学でプレーしていたが、出生時の性別に基づいて競技することを義務付ける州法が制定されたため、カリフォルニアに移った。身長185センチ。スパイクの時速は80マイル(128キロ)以上あり、一般的な女子選手より速いとの指摘が多い。 サンノゼ州立大は今シーズン、所属するリーグ「マウンテンウエストカンファレンス」で12勝6敗と好調だった。フレミング選手の健闘だけではない。12勝のうち6勝は、相手チームが選手の安全を考えて棄権したことによる不戦勝だった。 棄権したのはボイシ州立大、ワイオミング大、ユタ州立大、ネバダ大。2試合を棄権したボイシ州立大があるアイダホ州のブラッド・リトル知事(共和党)はX(旧ツイッター)で大学の判断を評価し、「私たちは全ての女性アスリートの安全を確保し、女性スポーツの公平性を求める戦いを続ける必要がある」と強調。ユタ、ワイオミング、ネバダの共和党知事とともに試合の中止を求める声明を発表した。 リーグ王者を決めるトーナメント戦が27日から始まり、シードのサンノゼ州立大は初戦が準決勝。ここでも相手チームが棄権する可能性がある。 ■トランプ氏も問題視 フレミング選手のチームメイト、ブルック・スラッサー選手は9月、女子スポーツからトランスジェンダー選手を排除するようNCAA(全米大学体育協会)に求める集団訴訟に参加。さらに今月、棄権したチームの選手らとともに、サンノゼ州立大とマウンテンウエストカンファレンスを提訴した。 スラッサー選手は「大学はフレミング選手がトランスジェンダーだと教えてくれなかった。自分のチームも相手チームも危険にさらされている」と話している。