「ミニ」と過ごした日々のこと。くっついたり離れたり。それでも忘れられない永遠の恋人!?
自動車ジャーナリストのレジェンド岡崎宏司氏が綴る、人気エッセイ。日本のモータリゼーションの黎明期から、現在まで縦横無尽に語り尽くします。 岡崎宏司の「クルマ備忘録」 初代ミニにひと目惚れ。乗り込んで驚き、走って感動して以来、ずっとミニに魅入られてきた筆者。ついには2台まとめて衝動買い!? なんて経験を経て、手放した今も忘れられない存在……と翻弄(?)されてきた筆者のミニ ストーリーです。
僕のミニ ストーリー!
僕の仕事机の上には、ミニの写真が2枚置いてある。ツイッギーがBMCミニに囲まれた写真と、BMW傘下に移行した後の、ミニ ハイゲート コンバーチブルの写真だ。 ツイッギーは1960年代を中心に世界を風靡したファッションモデル。特に、ミニスカートのブームは彼女によって引き起こされ、「ミニの女王」とも呼ばれた。 1967年に来日したが、招いたのはトヨタ。東京モーターショーに展示されたゴールドの2000GTに寄り添ってもらうためだ。 僕もその場にいたが、美しく贅沢なコラボレーションは、今も鮮明に記憶に残っている。
ゴールドに塗られた2000GTはこれ1台しかないが、モーターショー後、ツイッギーに贈られたと言われる。なんと素敵な、なんと贅沢な贈り物だろう! ツイッギー自身は運転しなかったというが、「ミニの女王」がサイドシートに乗るゴールドの2000GTは、きっと最高の輝きを放っていたことだろう。 ショーン・コネリー演ずる『007は2度死ぬ』に登場した2000GTはオープン化され、世界に、強烈に存在感をアピールした。でも、僕にとっては、ツイッギーとのコラボの方がずっとカッコよかった。 話はそれたが、本題のミニに戻ろう。 初代ミニ、、BMCミニはもちろん好きだ。いや、「好き!」というだけでなく、深くリスペクトしている。 初めて触れたのは、サンプル輸入したディーラーでだったかと思うが、ひと目見て惹きつけられた。そして、乗り込んで驚き、走って感動した。それも半端な驚き/感動ではない。