《目の健康を守るために》コンタクトレンズの疑問に回答「年齢制限はある?」「乱視や老眼でも矯正できる?」
めがねよりも快適に過ごすことができるからとコンタクトレンズを手放せない、という人もいるだろう。そこで、目の健康を守るために知っておきたい知識や新常識を『いつも使っているコンタクトレンズのことを、あなたはほとんど知らないかもしれない』(アスコム)の著者で、コンタクトレンズ会社社長の吉田忠史さんに聞いた。すでに使っている人も、これからデビューする人もコンタクトレンズ選びの参考にしよう。 【写真】めがねをかけてパソコンに向かう白髪の女性。ほか、コンタクトレンズにまつわる疑問を写真やイラストを交えて解説
Q.コンタクトレンズに年齢制限はある?
よくある問い合わせとして、「コンタクトレンズは何歳からつけられますか?」と聞かれることがあるという吉田さん。 ◆A.定期的な診察で目に異常がなければ何歳でもOK 小中学生の成長期のタイミングは長時間つけることを避けるのが望ましいが、年齢の上限はないという。 「眼科医による診察を定期的に受け、目に問題が起こっていなければコンタクトデビューは、何歳からもOKです」(吉田さん・以下同) ◆コンタクトレンズにも遠近両用レンズがある 「老眼がある場合には、メガネと併用するか、コンタクトにも遠近両用レンズがあるので、そちらを使用するという選択肢もあります」 ただし、加齢によって減ってしまう角膜内細胞が2000個/平方ミリメートル以下と計測された場合は、コンタクトレンズの使用を控えた方がよいとされている。角膜内細胞を計測する機械がある眼科で、定期的に検査するのが安心だ。
Q.コンタクトレンズはめがねと同じ度数でいい?
吉田さんは「別に検査しなくても、めがねと同じ度数で作ればいいや」と安易に考えるのはNGだと話す。 ◆A.コンタクトの度数はめがねよりも弱くなる その理由は、めがねとコンタクトレンズでは目との距離が違うことによる。めがねは目から10~15mm離れているのに対し、コンタクトレンズはほぼ距離がなく、同じ度数を使った場合は見え方に差が出てしまうからだ。 「一般的にコンタクトの度数はめがねよりも0.25~1.00ほど弱くなります。ですから、たとえ自分の度数を知っているめがねユーザーでも、コンタクトをつくるときには改めて視力検査が必要です」 ◆同じ度数でも人によって見え方が違う また、角膜の大きさや形は人によって異なるため、同じ度数でも人によって見え方が異なる。 「家族と同じ視力だからと同じコンタクトを使用しても、見え方が違ったり、装着したときに違和感を覚えたりするはずです」
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