ファーストリテイリングが進める必要な商品だけを作り・販売するビジネスモデルへの転換とは?「LifeWear=新しい産業」の進捗
店舗、主要オフィスにおける温室効果ガス排出量は2023年8月期に2019年度比で69.4%の削減を達成。2030年度8月期までに90%削減という目標に対して順調に進捗したとしている。再生可能エネルギーの調達比率は、2030年度100%の目標に対して、2023年8月期で67.6%に上昇した。
サプライチェーン領域の温室効果ガス排出量は、2023年8月期までに10%削減。工場の設備入れ替え、低環境負荷素材の採用拡大などにより、今後は削減が加速する見込み。リサイクル素材など温室効果ガス排出量が少ない素材の使用割合は、2024年商品全体で18.2%と、2023年の8.5%から大きく伸長。ポリエステルは、リサイクル素材比率が47.4%に上昇した。
■ 商品・サービス領域の進捗 2022年にスタートした服のリペア・リメイクサービスを提供する「RE.UNIQLO STUDIO」を2024年10月までに22の国・地域で51店舗に拡大。2024年12月末までに60店舗に拡大する予定だ。2023年10月から古着販売のトライアルを開始し、現在は3店舗で継続的に展開中。またスウェーデンオリンピック・パラリンピック委員会に提供する公式ウェアの一部で、ユニクロ店舗で回収したポリエステルの服からリサイクルした素材を初めて採用。服から服へのリサイクルの研究開発を進めている。 ■ サプライチェーン領域の主な進捗 自社で定める「サステナブル素材」を再定義し、商品への採用拡大を後押した。温室効果ガス排出量、水使用量、生物多様性、人権、動物愛護を配慮すべき項目として定め、素材ごとにその定性的・定量的基準を明確化する新たな枠組みの整備に2024年8月期から着手している。綿素材で2025年9月期に基準の策定を終え、2026年8月期から生産に適用予定。先行して新たに環境再生型(リジェネラティブ)コットンを「サステナブル素材」に追加した。 トレーサビリティの継続的な強化として、先行して進めていた綿に加えカシミヤやウールなど他素材にも拡大。紡績工場など上流の工程で工場と長期的なパートナーシップを構築していく取り組みも推進。カシミヤでは、2024年秋冬シーズンから、カシミヤ100%商品の洗毛工場と紡績工場への定期トレーサビリティ監査を導入。ウールでも同様の枠組み作りを推進中だ。