「なまはげ」の動画でわんぱく息子をしつけることを妻から非難される 夫の悩みに”論語パパ”はどう答える?
【回答】 お答えします!自分にとって恐ろしい容貌のものを、人から目の前に突きつけられて脅されたら、相談者さんは嫌ではありませんか? たとえば、仕事を失敗すると、上司が「お前なぁー」とか言いながら、怖い写真などを見せたりしたらどうですか? ハラスメントだと言って上司を訴えるのではないですか? いずれにせよ、怖いものを無理やり見せられると、嫌ですし、そんなことをたびたびする相談者さんのことも嫌いになるでしょう。 人としての生き方を説いた「論語」では、孔子の弟子の子貢が、こう言っています。 「我(われ)人の諸(これ)を我に加うることを欲せざるや、吾(われ)も亦(ま)た、諸(これ)を人に加うること無からんと欲す」(公冶長第五) 「私は、人が私にして欲しくないと思うことは、私自身、人にしないようにします」という意味で、孔子の生きた2500年前から大事にされてきた教えです。自分がして欲しくないと思うことは、他人にはしない。これは、わが子に対してだって、同じです。 相談者さんは、5歳の息子さんを「かなりやんちゃ」と、決めつけていらっしゃるようですが、「やんちゃ」というのは、元気があり余っているのです。さらに、息子さんはどこまで自分の行動範囲が許されるかを、自分自身の体を張って確かめているのではありませんか? 人に注意されたことを「はい」「はい」と言いなりになるより、「やんちゃ」な人間のほうが、活気に満ちて、世界を変える力があると私は思います。 そもそも、相談者さんは、親の言うことを素直に聞いて、大声も出さず、暴れたりすることもなかった「普通」の子どもだったのでしょうか? 孔子の弟子、曾子はこう言っています。 「士は以(もっ)て弘毅(こうき)ならざる可(べ)からず。任重くして道遠し。仁(じん)以て己(おの)れが任と為す」(泰伯第八) これは「論語」の有名な一節です。訳すと、「道を志す人は、大きな包容力と強い意志を持っていなくてはならない。なぜなら、その人の任務は重く、その人生行路ははるか遠いものだからである。その任務とは何か。それは、“仁”を実践し普及することである」という意味です。