BYDオートジャパン・東福寺厚樹社長が語る「長澤まさみのCM起用」「新型シール」「今後の戦略」
――すでに目標の半数を超えているわけですね。ちなみに東福寺社長は三菱自動車、フォルクスワーゲンを経てBYDに入社されました。これまでのキャリアや知見を駆使したとは思いますが、机ひとつからこの短期間で58拠点の展開は容易ではなかったはずです。店舗を増やす訳は? 東福寺 テレビCMで認知されても、やはりクルマに乗っていただかないことには何も始まりません。乗っていただければ、BYDの良さは必ずわかりますので。 ――100ヵ所以上の販売店舗を目指す背景には、サービス面での安心感はもちろんのこと、BYDのクルマに触れる機会をもっと増やしたいという狙いがあるわけですね。 東福寺 付け加えると、例えば乗り換えの場合は今乗っているクルマとBYDの比較が販売店でできますからね。 ■"伝家の宝刀"PHEVの導入は? ――そもそもBYDはバッテリーメーカーとして1995年に中国・深圳市で創業しました。自動車事業に参入したのは03年です。注目はBYDが開発したブレードバッテリー。日本に導入された3車種はもちろん、実は中国市場で発売中のトヨタbZ3(なんとBYDと共同開発!)にも搭載されています。 東福寺 ブレードバッテリーはリン酸鉄リチウムイオン電池を採用しています。安全性の高さが強みですが、これまではエネルギー密度が低いことが欠点でした。 しかし、BYDは研究を重ね、技術を磨き、構成をシンプルにして限られたスペースに多くのセルの搭載を可能にして弱点を克服しました。BYDのクルマの航続距離の長さは、このブレードバッテリーのおかげです。 ――僕は取材で深圳市にあるBYD本社に行った際、ブレードバッテリーの安全性をアピールする実演に驚きました。太い針を突き刺しても発火しない。この技術力の高さは日本の販売店などで実演すべきだと思いました。 東福寺 販売店で動画は流していますが、間違いなくインパクトはあるので、なんらかの形でやってみたいですね。 ――BYDはレンタカーにも力を入れているそうですね。 東福寺 実は17年からEVバスで沖縄県のエコツーリズムの支援を行なってきました。そして、今年の8月29日には沖縄のレンタカー会社にフル充電で476㎞走行可能なドルフィンロングレンジを130台提供しました。