BYDオートジャパン・東福寺厚樹社長が語る「長澤まさみのCM起用」「新型シール」「今後の戦略」
――今後も日本市場の"BYDの顔"は長澤まさみさんなんでしょうか? 東福寺 実は当初、長澤さんサイドにオファーした際、スケジュールが合わず断念。 ――そうだったんですか。 東福寺 しかし、どうしても諦めきれず、2度目のオファーでなんとかCM撮影にこぎ着けられました。可能であれば、今後も長澤まさみさんの力をお借りしたいですね。 ■机ひとつで始まった日本市場との戦い ――基本的な話で恐縮ですが、東福寺社長はいつBYDに入社されたんですか? 東福寺 21年です。面談時、BYDジャパンの劉学亮(りゅうがくりょう)社長から「自動車業界の100年に1度の変革期にEVという最先端なものに関わる。こんな面白い仕事はないでしょう」と言われたのを覚えています。 ――BYDは携帯電話やPC用バッテリーなどを主要商品にし、05年から日本での事業を開始。15年からはEVバスも輸入販売しています。 東福寺 実はBYDオートジャパンの立ち上げ当初は、バス部門の中に私の机がポツンとひとつだけという状況だったんです(笑)。 ――この短期間にどのようにしてBYDオートジャパンを軌道に乗せたんですか? 東福寺 まずは知り合いに片っ端から電話とメールで連絡しました。そして実際に会ってBYDの可能性を説きながら仲間を募りました。 ――結果、23年1月にSUVのアットスリー。同年9月にはコンパクト型ハッチバックのドルフィン。そして今年6月にはセダンのシールを発売しました。特に日本市場におけるBYDのフラッグシップのシールは、日本では縮小傾向のセダンながらも、8月の登録台数で日本市場の輸入EVランキングで初の首位に立ちました。 東福寺 お客さまにシールをシッカリ見て、触って、そして乗っていただけた結果だと思っています。 ――日本市場にEVで参入した米テスラや韓国ヒョンデはオンライン販売ですが、BYDはリアル店舗でビジネスを行なっています。これは大きな強みだと思いますが。 東福寺 リアル店舗に関しては、「郷に入っては郷に従え」の考えですね。今後は25年末までに100ヵ所以上の販売店を構えるのが目標。現時点で33店舗ありますが、試乗や購入に関する相談や購入後のアフターサービスの受け付けが可能な開業準備室を含めますと、合計58拠点になります。