40代男性記者がVTuberやってみた 現役VTuberから学んだ「なりたい自分になれる」魅力
なりたい自分になれる。記者は快活とはほど遠い“陰の者”だが、少なくともバーチャル上では明るく元気で魅力的な男性になれるだろうか。 そこで記者は“転生”することにした。VTuber界では、それまでの活動を引退し、新たな姿と名前を得て、VTuberとして生まれ変わることを転生という。雑談配信に特化した新たなアプリをダウンロードし、今度は男性アバターを作成。8頭身のさわやかイケメンを誕生させた。間の管理と抑揚と、なりたい自分を意識して、みたび配信に挑む。 ここでもフィードバックが欲しいと、人気Vライバー(ライブ配信者)に指導をお願いした。毎日5千人以上が配信するアプリ「IRIAM(イリアム)」の公式CMにも出演する「ことりゆうい」さんだ。ゆういさんも、「なりたい自分になる」を実現させた一人。 「何をしてもどうせ無理と思ってしまうネガティブ系でした。自己肯定感も低く、平々凡々な生活でしたが、知人に勧められてVライバーを始め、応援してくれる人が増えるにつれて、Vライバーとしてアプリ内で一番になりたいと競争意識も芽生え、前向きになれました」 ■リアルな話が「面白い」 ゆういさんの配信は、個人情報を特定されない範囲でリアルを話すスタイルだ。学生時代に留年した話や就職活動に失敗した話も明かす。 「始めた当時は歌ったり楽器を弾いてみたり、コミカルな企画だったりがウケると思っていました。でもリアルな話のほうが面白いと言ってもらえた。人に話すのが恥ずかしいようなコンプレックスでも画面を通せば話しやすいし、興味を持ってもらえる。これまで生きてきたことが肯定されたという思いでした」 完全な別人になりきるのではなく、ある程度、自身を開示することも親しみやすさを覚えてもらうためのコツ。それも踏まえて、ゆういさんの眼前で配信に挑戦した。テーマは例のごとくバスケ。学生時代にプレーしていたこと、担っていたポジション、プロの試合を観戦した際に感じたこと。気づけば15分近く話していた。 「楽しそうに明るく話されていて面白かった。でも、配信アプリでは交流を楽しみたいリスナーも多いので、コメントはもっと拾ってあげてください。長く話すのが苦手でも、コメントを読み上げることで間を持たせることもできます。画面の向こうに人がいることを意識したら、もっとよくなります」