CSで下克上が実現する可能性はあるのか? ―― 里崎智也氏に聞く
大谷頼みの日ハムの不安
導入8年目となるプロ野球のクライマックスシリーズが、明日11日から甲子園、京セラドームでスタートするが、パ・リーグのプレイオフ時代も含め、過去にレギュラーシーズン3位のチームが、CSを勝ち抜けた例は、2005年、2010年の千葉ロッテしかない。その2度の機会に千葉ロッテは、CSの勢いをそのままに日本一にまで上りつめて“下克上”という言葉流行させた。だが、敵地にプラスして、ファイナルステージで優勝チームが持つ1勝のハンディを乗り越え“下克上”を成し遂げるのは至難の技だ。果たしてセ・リーグの3位チーム広島とパ・リーグの3位チーム日ハムに、その下克上の可能性はあるのか? 今季限りで16年の野球人生にピリオドを打った、短期決戦になればなるほど輝きを増し“ミスター下克上”と呼ばれた元千葉ロッテの里崎智也氏(38)に、その可能性について聞いてみた。 ――今回のCSで広島、日ハムに“下克上”の可能性はありますか? 「ないとは言い切れませんが、可能性は極めて低いでしょう」 ――まずは日ハムの可能性から聞かせてください。 「日ハムには好材料がそうありません。大谷頼みに見えます。それは不安要素です。彼が先発の3番手なら怖いでしょうが、次にくるのが上沢、メンドーサ、浦野あたりとなるならば、オリックス、ソフトバンクの先発陣に比べると明らかに弱いです。中継ぎ以降も、磐石ではありません。そうなると打ち勝たねばなりませんが、ファーストステージでは、“打者・大谷”は戦力にならないでしょう。そう考えると好材料より不安材料の方が大きいのです」 ――となるとパを良く知る里崎さんの予想は? 「オリックスが一番有利だと見ています。まず先発陣が安定しています。金子、西にディクソン。松葉、東明、吉田がいて、ベテランと若手のバランスがいい。先発から中継ぎ、抑えの厚みと充実度は、ソフトバンクより上ではないでしょうか。打線も、糸井、ヘルマン、ペーニャはCSの経験があって大舞台でも、あたふたしません。糸井が肉体的ダメージからどれくらい回復しているかが心配ですが、8割戻っているならば問題はないでしょう。駿太ら若手の成長もあって、チームの守備力も高いです」